「エネルギー問題」と「食」の共通性

環境自治体会議いいだ会議 その②

環境自治体会議いいだ会議は、「環境」をテーマにあらゆる切り口からの実践や提案を展開して見せてくれました。全国から集まった参加者の多さにも驚きましたが、それをさばく地元のボランティアや実行委員会の見事な運営ぶりには感心しました。来年の開催予定地である茨城県東海村の村長が「飯田のように立派にはできない、プレッシャーを感じる」と語っていたほどです。

初日の全体会議では、東京農業大学の進士五十八(しんじ・いそや)学長が「21世紀は『農』の時代」と語った基調講演に共感しました。「日本語の『百姓』という言葉は『たくさんの能力がないとできない仕事』の意味」という話は、つい最近、東京都町田市の援農ボランティアNPOの活動を見学に行ったときに同じことを耳にしたばかりで、農業のもつ多様な価値をあらためて感じました。

2日目は、エネルギー問題を取り上げる分科会に参加しました。「太陽光発電パネルの設置率が全国でトップレベル」という飯田市はじめさまざまな地域でのエネルギー政策の取り組みとして、省エネ、市民発電、産業振興などの実践を話題提供者が発表し、参加者と意見交換する、という内容です。市内にある三菱電機(株)の工場が会場とされましたが、公立でなく事業者の施設を使用するのは初めてだそうです。ここでは太陽光パネルの製造ラインを見学することができました。事業者との協働が進んだ成果ともいえます。

朝から夕方までびっしりと議論されたことはここにはとても書ききれませんが、印象に残ったものをひとつだけ挙げると、飯田での市民発電所設置を目指すNPOの人が言った「エネルギーの地産地消」という言葉です。「地産地消」は「食」の問題を語るときに使われますが、エネルギーも「地域で生産し地域で消費する」しくみができれば、いまの大量消費・浪費型は必ず変わってくるに違いありません。作る場面が見えないことが、持続可能な望ましい使い方を妨げる、という点で「エネルギー」と「食」は共通しています。

ところで杉並でも「分権型エネルギー政策を市民・事業者・行政の協働で進め、脱温暖化を目指す」市民発の活動が始まっています。この「杉並・地域エネルギー協議会」についてはまたいずれ別の機会に____。