行政視察を仕切りなおし

ロボットと戯れ 薩摩教育の心根に触れる

季節外れの台風の襲来でいったん中止となった区民生活委員会の行政視察ですが、その後改めて仕切りなおし、11月9日から3日間実施されました。訪問先は福岡市と鹿児島市。私にとっては、人形劇団に所属していたころに旅公演で訪れて以来30年ぶりの九州です。

30年もたてば変わって当然ですが、福岡は新しくて見栄えのよいビルが建ち並び、予想していた以上に活気が感じられるまち、というのが第一印象でした。バックナンバー(10月20日付)にも書きましたが、福岡での視察目的は「新産業振興」、そのひとつは「音楽ポータルサイト」で、もうひとつは「ロボスクエア」です。

「ロボスクエア」は、博多のメインストリートにあるファッションビルの地下フロアに、福岡市がロボット産業の創出をねらって2年前に開設しました。同市が昨年国の「ロボット開発・実証実験特区」として構造改革特区に認定されたことで、路上で歩行などの実験ができるようになり、ロボットが人間の生活に身近な存在になりうるための機能獲得にむけ、ここで研究・開発が進んでいます。

というと機械工場のようなところを想像しますが、実際はロボットを操作し遊べる「おもちゃ屋さん」といったところ。犬をかたどった「ペットロボット」として話題になった「アイボ」も売っていましたし、写真のキティちゃんも発売間近の新型ロボットで、彼女(?)自身の目で10人の人を認識し2万通りの会話ができる、というふれこみ。お値段は45万円ですでに買い手の予約が数件あるそうです。

鹿児島の「校区公民館制度」視察で印象に残ったのは、西郷隆盛や大久保利通も受けたという、薩摩の藩政時代より武士社会で継承された教育システム、また理念とも言える「郷中(ごじゅう)教育」がこの制度のベースになっている、という市職員の解説です。ごく大ざっぱに言うと、男尊女卑の封建制度のもと、地域で年長者が後輩の面倒を見る教育法で、その精神はいまも受け継がれているとか。もっとも別の女性職員は「いまどきまさか・・・」と笑っていました。