男女のトイレ面積比が東京のしあわせ度を示す?

政策を数値目標に置き換えて

オペラやコンサート、観劇に行って何が不愉快と言って、幕間の休憩時間のトイレの行列が長いことほど嫌なことはありません。連れ合いのほうはとっくにすませてロビーで手持ち無沙汰にしているのに、こっちは次の開幕ベルに間に合うのかとイライラしながら順番待ちに時間をとられてしまう。

ニューヨークのオペラハウスもザルツブルクのコンサートホールも「女性トイレに長蛇の列」現象は同様で東京だけのことではないのですけど。

劇場やホールの男女のトイレ面積比を1対5にして女性も幕間にシャンパンを優雅に楽しめたら東京のしあわせ度はアップする!——もと財務官僚、村尾信尚さん(関西学院大学教授)の「東京改革は市民プランで」と題する講演で聞いた一節です。そのとおり!どうしてこれまで誰も言わなかったのでしょう。

2月2日に開かれた東京・生活者ネットワークの新年会で村尾さんは、東京を変えるプランとして、しあわせ度を測るための指標「東京インディケーター」を15くらい設定して数値目標を挙げ、実現をめざすことを提案しました。

何を指標とするか、生活者ネットワークらしいセンスで選んでみては、と村尾さんは投げかけます。たとえば犯罪件数。ホームレス者数。都市公園面積。大気汚染。「トイレ面積比」の話はそこで出た例です。

「心の豊かさだっていじめに関することだって、頭をめぐらせれば数値で測れる指標が考えられるはず。あるテーマの集会への参加者数とか。」と言われてみれば、そういう評価の仕方は現に私たちはこれまでにしてきています。

7月の都議選に向けて練り上げた政策を広くおおぜいの人に知ってもらうのに「東京インディケーター」はわかりやすいし、おもしろそうです。

写真: 東京・生活者ネットワーク「新春の集い」で村尾信尚さんと