格差が拡大する社会でいいのか

2005年11月22日 00時31分 | カテゴリー: 憲法・平和・社会

若者が希望をもてない社会なんて

日本の社会は少子化がすすんで人口が減少し、そのなかで勝ち組・負け組の格差が拡大する社会——というのはいまおそらく多くの日本人が感じていることだと思います。それをよしとするかどうかは別にして。

NHKの元プロデューサーでいま放送文化研究所に勤める中瀬さんによる「人口減少・格差社会を知る」という学習会であらためて感じたのは、若者が直面している問題にすぐ手を打っていかなければだめだ、ということです。

中瀬さんが提示した資料は、「人口減少」の部分はNHKが73年から5年ごとに実施している「日本人の意識調査」から、「格差社会」のほうは「日本の、これから」という大型番組のために行なった調査からとのことでした。データを単純化して見せたことで論点がより明らかになっていました。

たとえば「人口減少」論で言うと、ここ30年間の意識の変化を見ていけば日本の合計特殊出生率の低下は必然の流れであり、今後子育て支援政策が功を奏したとしても、昔のように女性が子どもをたくさん生むようにならないのはあきらかです。しかしそれは悪いことなのか?と中瀬さんは問いかけます。

「年金や医療など社会保障制度の破綻を招くから」「労働力が落ちて経済活力が低下するから」少子化は問題だと言うなら、子どもはお国のために、将来親の面倒を見るために必要ということか?そうではないはず、と。

「格差社会」論では、欧米各国と比較すれば日本はまだ平等とは言え、成果主義の導入が是とされ平等よりも自由な競争を優先してきた結果、将来に希望をもてる層と努力しても報われないと感じる層との格差が拡大し、若者を弱者にしてしまっている社会の問題があぶりだされました。

だめな若者がニートになっているのではなく、ニートをつくりだしたのは社会のほうなのです。就労対策にとどまらない、社会全体の価値観の転換を意識的にすすめていかなければ、若者が希望をもてない状況のままです。——以上は生活者ネットワークがかねて指摘してきたことでもあります。

写真・総務財政委員会の視察で訪れた広島にて