『DAYS JAPAN』が載せた「慰安婦」100人の写真

「慰安」なんかじゃない「性奴隷」だ

写真情報誌『DAYS JAPAN』最新号に「慰安婦」100人の顔写真が掲載されました。韓国、北朝鮮、フィリピン、台湾、中国、東ティモール、インドネシア、マレーシア、日本、オランダのいずれも70〜80代の女性たち。

写真とともに掲載されている証言はアクティブ・ミュージアム「女たちの戦争と平和資料館」がまとめたもの。その凄絶さに言葉を失います。ほとんどが10代で騙されたり捕まったりして「慰安所」に連れて行かれ、強かんや輪かんされてそこで「慰安婦」にさせられています。

100人の表情はさまざまで、初潮前から日本兵の相手をさせられたという東ティモールの女性は、眉間に深いしわを寄せいまにも泣き出しそう。中国人で初めて性暴力被害を証言した女性の写真は穏やかな笑顔ですが、13歳のときに抗日運動に従事し3回捕まって拷問・輪かんを受けたとあります。

証言内容はおぞましく悲惨を極めますが、その顔はどれもすばらしい。名乗り出た勇気がすばらしいし、語り残そうとする意志が見事だと思います。そしてジャーナリズムとしてそれらを掘り起こし集め、公表するアクションもまた。

それにしても「慰安婦」というのはなんと欺瞞的な言葉でしょうか。この言葉の英訳が「sexual slave=性奴隷」だと初めて聞いたときのショックは、自分の無知を知らされた以上に、「真実を隠蔽する用語」を平気で使い続ける世の中に対する不信だったと、いま思い出します。「慰安」なんかじゃない「性奴隷」だ。

加えて、同誌で100人の証言に続けて掲載されている日本兵の証言がさらに衝撃的です。日本軍は中国で女性に何をしたか。女性たちの言葉を裏付けるだけでなく、加害者の側の証言として別の意味で貴重なものだと思います。

広河隆一編集長はこの号を全国会議員に送るつもりだそう。安倍首相を筆頭に「慰安婦問題」を矮小化したい人たちはどんな感想をもつのでしょうか?