『パッチギ!L&P』 真面目おかしい暴力と反骨の映画

2007年6月6日 14時03分 | カテゴリー: 映画・オペラ・おたのしみ

70年代の東京コリアンタウンを舞台に

生活者ネット「国際平和部会」のミーティングで映画『パッチギ!LOVE&PEACE』を見に行こう!と話がまとまって夜の新宿に繰り出しました。

2年前の『パッチギ!』は、青空に向かって若者がこぶしを突き上げるポスターが暴力とみずみずしさとまっすぐな怒りを表して印象的でした。その続編『LOVE&PEACE』のポスターは家族4人のくったくない笑顔。対照的です。

4人はチマチョゴリのお母さんと兄、妹、兄の息子の小学生で、ほんとにいい笑顔だしバックには洗濯物がつり下がって生活臭にあふれ、題名も「愛と平和」だから前作と違って派手な殴り合いシーンなどないのかと思っていたら、とんでもない。前作と同じかそれ以上に、血しぶきが飛び散る荒っぽい場面は健在。

舞台は前作の60年代の京都から、70年代の東京下町、江東区枝川へ。70年代の、佐藤栄作元首相がノーベル平和賞を受賞したころ、ブルース・リーのカンフー映画がはやっていたころ。ベトナム戦争が終結したころです。

そして江東区枝川といえば、数年前ここの朝鮮学校が東京都から立ち退きをめぐって提訴された、「枝川裁判」の地。井筒和幸監督はこの裁判を側面から支援していたようで、支援者グループが催した『パッチギ!』上映会のトークショーに出演したと、たしか去年雑誌の記事で読みました。

映画は暴力シーンのすごさにひるんでしまうのですが、日本人の差別問題に正面から切り込み、反骨にしててらわずに、「ラブ&ピース」だなんてストレートに反戦を訴えてくるので、全然憎めない娯楽作品だ、というのが私の感想。

朝鮮語(おそらく韓国語でなく)のシーンや、日本語の中に朝鮮語が混じる場面が前作よりも多いようにも思いました。ここにも井筒監督の意図を感じます。

そういえば枝川裁判はどうなったかと気になり調べると、今年和解が成立したとありました。安心しました。