2050年に自然エネルギーの割合を半分にまで増やす方法

ヒントは「投資」という発想

杉並・地域エネルギー協議会が昨年行ったエネルギー・ダイエット調査。区内の約200世帯が参加し6〜8月の省エネ行動を電気とガスの使用量の結果から評価する調査で、貴重なデータが得られました。7月12日、そのまとめの報告会が開かれました。

04年に行ったEダイエット調査と比べると、今回参加者の省エネ意識は明らかに高くなっています。希望者には今回も世帯ごとのカルテ(診断書)が作成されましたが、評価結果と診断コメントに励まされる人、不服だと言う人などいろいろ。また参加者の省エネ体験談には涙ぐましい苦労話もありましたが、カルテには家族のライフスタイルそのものが表れる、ということがよくわかりました。

おもしろかったのは、環境自治体会議専門調査員、中島大さんのエネルギー事情についての講演。「えっ!石油ってなくなるの?」というタイトルなので、そうなんです、あと○十年でなくなります、という話かと思ったら・・・これが大間違い。

石油が有限であることは確かだが「なくなる」という議論は、すくなくとも今はしなくてよい。どれだけ埋蔵されているのかは「どれだけ開発するか」によって変化する、すなわち「政治的に決まる」こと、という論理は「目からうろこ」です。

でも中島さんの講演の目玉はむしろ、自然エネルギー関連団体が最近まとめた提言「2050年自然エネルギービジョン」の内容について。

要は、2050年にCO2の80%削減を実現するため、エネルギー供給の半分を再生可能エネルギーに転換させる、その道筋、ということ。そのヒントとなるのが「投資」という発想です。自然エネルギーへの投資が確実に儲かるしくみ、みんなが自然エネルギーにお金を使うことによってみんなが儲かるしくみ。

家庭内でもこの「投資」という発想を生かすのは、例えば省エネタイプの電化製品への買い替えを低金利融資ですすめることでのインフラ整備がそうです。

自然エネルギーには、太陽光、太陽熱、風力のほか、地熱、バイオマス、小水力などがふくまれ、この「小水力」は今後の注目株だと思う。なお中島さんは「全国小水力利用推進協議会事務局長」の肩書きもお持ちでした。