「減税自治体」の目的が透けて見える補正…賛成したけど

総務財政委員会の議論より③

「減税自治体」漫画パンフ 監修は弘兼憲史氏
「減税自治体」漫画パンフ 監修は弘兼憲史氏
今回提案された補正予算は57億円。麻生前首相の悪名高きバラマキによる国庫支出金を歳入に見込んでいるので、民主党政権の判断で執行停止になった場合には影響を受ける事業があるかも、というなかでの予算です。

支出で目を引くのは、教育債元金34億円と同利子に6億円、合わせて40億円が公債費にあてられること。借金を早めに返すのは悪いことであろうはずがありませんが、その理由がもし「減税自治体構想実現のため」というなら、ちょっと待てよといいたくなります。

「構想」を来年度から開始、2年後の区債残高ゼロに向け、今回の補正で繰り上げ償還をする。定例会前の区長記者会見でもそう説明がされました。

8月22日に開催されたフォーラムに500人以上もの参加があった、アンケートに答えた参加者のうち9割がフォーラムを評価し、8割は漫画のパンフレットを「構想」の理解に役立つといい、概して「構想」は高い評価を得、パンフの売れ行きがすごい、などの報告を委員会で受けましたが—。

無料配布の漫画の売れ行きがよく「構想」の理解が広まったとしても、それを杉並で実施することに対して区民の合意がとれているとはいえません。

次のように意見を述べて補正予算に賛成としました。

今回の補正は、特別区税制交付金の17億円と前麻生政権の置き土産である大型財政出動による補正、国庫支出金10億をふくむ総額57億円のうち相当額を繰り上げ償還に充当する、という提案です。

行革プランにのっとった着実な措置であり勇断ともいえますが、これが減税自治体構想実現のためのステップと位置付けられ、既成事実とされていくのでは、という疑問の残るところです。

ではありますが、住宅手当や女性特有のがん検診、保育施策や障がい者福祉施策などに国庫支出があてられるとされ、有効に生かしていただきたいと考えるものです。よって、区議会生活者ネットワークは賛成とします。