「減税自治体構想」過大評価が事実を見誤らせる

2010年3月27日 23時20分 | カテゴリー: 自治と議会とまちづくり

予算特別委員会の質疑より⑥

記名投票は5年ぶり。結果は賛成:30、反対:15で可決
記名投票は5年ぶり。結果は賛成:30、反対:15で可決
区民が義務として税金を払うのは「公共の利益」のためです。減税という形で個々人に直接還元されるものに現役区民が負担するというのは、納得がいきません。

そもそも自治体が独自に減税できるのは、06年に地方財政法が改正されて初めて可能になったのであり、それまではできないしくみになっていました。ところが「減税自治体構想研究会報告」は冒頭でこう述べます。

「日本ではこれまで、地方自治体が主体となって恒久的な減税を実現したことは一度もなく、研究すら行われたことはありませんでした。その意味で今回の研究は、行政としてはまさに全国で初めての試みでした」。

ここまで自画自賛しなくても、と思います。このような過大な評価は、事実を見誤らせる表現です。

さらにこの提案に無理を感じるのは、減税を始めた杉並区は学校などの建て替えの必要が生じたとき、都知事の許可がなければ費用のローンが組めない、すなわち起債することができなくなることです。

都知事は許可するはずと区は言いますが甘い見方です。もし許可されなければ係争事件に発展します。清掃事業をはじめ、23区がさまざまに連携し融通しあうことで成り立っている事業も多い中で、なぜ杉並区だけが、将来の個人のポケットマネーのために積み立てをするのか。できると思うのか。

質疑を重ねても、理解できませんでした。これが大規模災害に備えるため、とすればまだ納得できます。だから「大規模災害対策基金」に名前を変えようと動議を出したのに(こちら)。