エネルギーの希望が見える 『ミツバチの羽音と地球の回転』

2010年6月7日 15時33分 | カテゴリー: 映画・オペラ・おたのしみ

祝島の自然から原発を考えるドキュメンタリー

6月5日に終えた一般質問の報告は次回以降にして、映画の話題を。

鎌仲ひとみ監督のドキュメンタリー映画『ミツバチの羽音と地球の回転』を四谷のお披露目上映会で観てきました。『ヒバクシャ』『六ヶ所村ラプソディー』に続く反核シリーズ三部作がこれで完成。

舞台は、瀬戸内海の山口県沖に浮かぶ祝島(いわいしま)という、周囲わずか12キロの小さな島です。かつて5,000人いた島民が激減し人口500人ちょっと、農業と漁業がほぼすべての過疎村には1,000年前から変わらない自然があり、暮らしがあります。ヒジキとビワが特産だそう。

30年近く前、島の対岸、上関(かみのせき)町に原子力発電所を建設する計画が降ってわいたことが、島のありようを変え生活を変えざるを得なくさせました。島を挙げての反対運動が生活の一部になったのです。

高齢化した多くの島民にとって、30年にわたる反対運動が暮らしを疲弊させないわけがなかろうと思いますが、映画は海と山に挟まれた豊かな自然を相手にヒジキや魚を採り有機農業に挑む人たちの魅力を引き出します。

4年に一度催されるという海の祭りのダイナミックな描写がすばらしく、これが反原発映画ということを忘れてしまいそう。しかし映画は後半、スウェーデンのエネルギー事情を紹介しつつ、「反原発」を超越していきます。

脱原発を選択したスウェーデンの男性がカメラに向かって「え、日本は電気を自分で選べないの?自由化されてないの!?」と驚く場面に日本との違いが歴然。ええそうですとも。日本では「TT電力は原発だから買わない」「風力とバイオマスだけのXX会社と契約する」ということはありえないです。電気会社を選べない。

祝島の若い島民は運動から学んで第1次産業での島の自立を獲得しようとしています。長年のあいだ放置されてきた土地を循環型畜産で耕作地に変えようと挑戦する農民も。さらに、エネルギーの自立もめざしている、というからうれしい。ミツバチが地球を動かす…ということか。

日本はこの狭い国土に原発がすでに55基あり、さらに11基が計画中という。それを見て見ぬふりするのは、米軍基地に対する無関心と同じです。