「放射能と食品」 生産者と築いてきた関係を原発事故が壊した

2011年5月9日 00時04分 | カテゴリー: 食と農業

天笠啓祐さん「この話はしたくなかった」

生活クラブ運動グループ地域協議会が5月8日、「放射能と食品」の緊急学習会を開きました。講師の環境ジャーナリスト、天笠啓祐さんは生活クラブ生協組合員です。開口一番、「こういう講演はしたくなかった」。その意味は後になって分かりました。

国や東電が「安全」とする根拠のインチキさ、事実を正確に伝えない・情報を隠す体質、「御用学者」ばかりが登用されるジャーナリズム。これらへの怒りに加えて話が食品汚染に及ぶと、「これまで消費者と食の生産者とで培ってきた、農水産業を守る運動が壊された」と天笠さんはさらに怒りをあらわにしました。

汚染実態がわからず発表される情報が信用できなければ、「何をどう食べるか分かって食べたい」消費者はどうしたらいいのでしょうか。とくに小さい子どもがいる親は「安心できるものを」と考えれば考えるほど、何を選べばよいのか悩みは深くなります。

「少しでも疑わしいものは食べない」という選択があるいは可能かもしれない。でもそれでは生産者との関係を断つことになってしまう。事実、「あれほど避けられていた」中国産の野菜の消費が増えているのだそうです。

(どういう食を選ぶのか)答えはない、と天笠さんは言います。そうだと思う。自分で決めるしかないのだと思います。こんな状況になってしまった事実を、原発推進策に対する怒りをもって受けとめ、私は特定の食品を避けず何でもバランスよく食べることにします。

もちろん、自治体としては正確な情報発信と区民からの疑問に答えるしくみが必要でしょう。

6日、菅首相が浜岡原発の原子炉をすべて運転停止するよう中部電力に要請した、という報道には興奮しました。これを日本中の全原発を止める第1歩に、と誰もが歓迎すると思いました。ところがNHKのキャスターは「電力不足への対応策を示さずに突然の発表は疑問」など批判的なコメントでがっかり。

まずは首相の英断を評価し「これを機に新たなライフスタイルを各人が構築しよう。そのために自分たちメディアも情報発信に励みたい」となぜ言わないのか、とムッとしましたが、そういう脱原発論が大メディアから発せられることはないのだ、と天笠さんの話を聞いて思いました。