重かった…「里親家庭の虐待を考える」8時間シンポジウム

杉並の事件うけソーシャルアクション探る

『週刊金曜日』2月10日号の特集記事「杉並3歳女児虐待死 里親制度の闇」はショックでした。特ダネというのでしょう。事実なら、昨年8月に明るみに出た「里子の死亡事件」はまったく単純な話ではなくなります。ブラックボックス。

この問題をめぐって2月19日にシンポジウムが開かれると知り「脱原発杉並デモ」当日なので迷ったけれどデモのほうをあきらめ参加しました。シンポは9時から5時まで、びっしり中身の濃い、そして重い内容でした。

最初にこの記事を書いたフリーライター小宮純一氏による事件の取材報告。『金曜日』に書かれてなかった具体的なディテールにも話が及び、私が聞いていたことともつじつまが合い、虐待が事実だったと信じるに十分でした。

浜松医科大学の精神医学者、杉山登志郎氏の講演「愛着障害・発達障害からみた里親養育の課題」は、臨床医としての豊富な経験から驚愕の事例がかずかず紹介され、頭がくらくらするほどでした。

2人目の講師は社会福祉が専門で里親制度に詳しい、京都府立大学の津崎哲雄氏。里親が「虐待せずに」養育を行うための条件として支援体制の整備をあげ、「これは地方自治の問題です」と言った言葉が胸に突き刺さりました。

地方自治のことなのだから地方議員が関心を持たなければダメだ、「この会場に杉並区議は来てますか、都議はいますか!」と問いかけられおずおずと手を挙げましたが津崎氏には見えなかったようなので、フロアから発言しました。

去年「里親の虐待防止に地域がかかわれないしくみはおかしい」と区に質問したこと、先日の議会で児童相談所の区移管に関して質問したところ、都区間の具体的検討組織が立ち上がったと答弁があったこと。

会場に集まった参加者は230人といい、長野県、山口県から参加という人もいました。痛ましいのは、自身里親という人が、事件を知ったとき「これは自分だ」と思った、と発言したとき、会場内にうなずく人がたくさんいたこと。問題の深刻さが見えたと思いました。

杉並事件の「裁判員裁判」は準備に時間がかかっているのか、開始が遅れているようです。