里親子を守れないしくみはまちがっていないか

2012年3月18日 09時56分 | カテゴリー: みんなの健康と福祉, 子どもと人権

「杉並の虐待死事件」2度とおこさせないために①

都の児童福祉審議会による「児童虐待死亡事例等検証部会報告書」が出されたことを受け、3歳の里子死亡事件について予算委員会で質疑しました。

報告書のタイトルは「児童虐待死亡ゼロを目指した支援のあり方について(里親事例 中間のまとめ)」。虐待の事実があったと明確に書いていない、だがそう確信させる内容です。そしてそのことを、通っていた保育園は認識していた可能性がある、とも読み取れました。

「不正出血」という文言もあり、その後、週刊誌で性的虐待があったというショッキングな記事が掲載されました。報告書には書いていなかったことです。区がこれをどう受け止めたかたずねましたが明確な答えはありませんでした。

性的虐待の有無にかかわらず、虐待が事実とすれば、児相の手続きや任務の履行状況に問題があったか、制度の見直しが必要です。杉並区としても、事件が起きてからすでに1年半以上たっているのに、当該自治体としての調査・検証がされていません。事件の重大性や深刻さが受け止められているなら、区としてこの事件について検証することが必要ではないでしょうか。

虐待は実の親によるものももちろん問題で、そのほうがずっと多いのですが、里親は行政の措置として委託される制度なので、重大さの質が違います。ほとんどの里親は虐待などしませんが、ごく幼い時点で問題を背負っていることも多い里子を育てる難しさについては、多くの里親が語るところです。

幼児期に特定の大人への愛着を築けずに育った子どもは、すでに心に傷を負っているといわれます。都の報告書でも「要保護児童対策地域協議会において、『里子は支援を必要とする子』という共通認識を築き…」と記述され、「地域の支援ネットワークと連携」が必要という提言がされました。

当たり前のことです。私はどうしても、区が関わっていれば女の子は死なずにすんだのでは、と思ってしまうのです。「区が把握するしくみになっていない」と区は言いますが、子どもの命が危ないかもしれないときに、しくみのせいで命が守れないとしたら、しくみのほうが間違っています。