杉並の里親傷害致死事件の裁判が明らかにしなかったこと

2012年7月24日 00時53分 | カテゴリー: みんなの健康と福祉, 子どもと人権

「みゆきちゃん」虐待の裏に何があったのか 

2010年8月におきた、杉並区内で里子として養育されていた3歳7か月の女の子の死亡事件。里母の暴行によるものだとして、1年以上たった昨年9月に声優の女性が逮捕され、その裁判が先ごろようやく行われました。

鈴池被告に懲役9年の有罪判決が言い渡されたこと、ただし彼女は無罪を主張し「控訴します」と宣言していることが報道されました。

6月から7月にかけ裁判員裁判として行われた9回の全公判と判決を「杉並事件を考える会」メンバーが傍聴し、7月22日にその報告会が開かれました。

メンバーが克明なメモを録ってくれたおかげで、2010年8月23日に何があったのかについて詳しく知ることができました。被告が何と言おうと、みゆきちゃんの死は階段から落ちた事故ではなく、髪がかたまりで抜けるほど、耳はちぎれるほど引っ張られ、急激に脳が腫れるほどの暴行を受けたためだったこと。

その暴力を働いたのが里母だった彼女以外にありえないことも。

でも「それがなぜおきたのか」については裁判で明らかにされませんでした。3歳の子の膣口が拡大していた(処女膜がなかった)ことの経緯についても、日常的な虐待があったのかどうかについても、今回の争点ではないためか法廷で語られませんでした。彼女が無罪を主張している限り、法廷の場には出てこないということなのか。

児童相談所の関係者や里親仲間からの証言はなぜとられなかったのか。それがなければ、児童相談所や制度など社会システムの課題が明らかにされません。おそらく彼女が暴行の事実を認めなければ出てこないのかもしれません。

「考える会」代表でこども教育宝仙大学専任講師の前田信一さんが指摘した、社会的養護が施設から個人または小規模グループへと流れが進むなか、閉じられた空間で行われるようになることの課題も、重要なポイントだと思います。

傷害致死罪に対する量刑は6〜7年がふつうで、9年というのは異例の長さだそうです。裁判員裁判によりこのような結果になったのだろうといわれています。