ホームレス排除する杉並区民の民度って

2012年8月1日 23時57分 | カテゴリー: みんなの健康と福祉, 子どもと人権, 憲法・平和・社会

  善福寺池のスイレン
  善福寺池のスイレン
最高気温が35度を超えたある日、青梅街道の天沼陸橋の上でその人は仰向けに横たわっていました。左脚のひざから下がなく、松葉づえが横に。近づくと、顔を帽子で隠していますが息はしています。暑さにやられたのか単に寝ているのか。

大丈夫ですか、と声をかけました。具合悪いですか。あ、すみません大丈夫です、とその人。帽子を取ると、60代後半くらい。ひげが1センチほど伸びています。だいじょうぶ大丈夫、あんまり暑いので寝てた。すみません。

もういいから、というしぐさをしたので一度は通り過ぎようとしましたが歩行が困難な人をこんな暑いところに放置してはダメだと思い直しました。冷水を持っていたのでタオルを浸して顔を拭いたら気持ちいいだろうとボトルを差し出しましたが遠慮して手を出しません。

じゃあ手だけでも冷たい水をかけたら気持ちいいですよ、と水をかけるとその人は手のひらの水を飲みました。どうやら、その辺りを転々として路上で寝ているホームレスでした。生活保護はと聞くと、以前寮にいたが自分から出てしまったのでもうもらえないといいます。

でも何とかなるから福祉事務所に行きましょう、ここから10分で行けるからと誘いましたが自分の脚では30分かかる、今からだと5時過ぎる。…確かにもう4時40分です。するとその人は「それなら」1,000円くれないか、と言います。

朝から何も食べてないんだよ。お金あげてもほかのことに使ってしまうかもしれないからいやだ、と私。でもこの暑さだし、食べてないのは本当だろうし。少し考えて500円渡しました。これで何か食べて。水も飲んでくださいよ。

4時間後。青梅街道を戻る帰り道でまたその人に会いました。向こうもすぐに私を認めて「さっきはありがとう」、おかげでラーメン食べた、と言い、パトカーが来た話を始めました。助けに来てくれた話かと思ったらそうではなく、「バス停で座り込んでいたら誰かが警察に『男をどかしてくれ』と通報したのでパトカーが追い払いにやってきた」ということでした。

警官はその人をどかすと、パトカーで去って行ったそうです。脚が不自由で見るからにホームレスの人をパトカーに乗せ交番に連れて行って冷たい麦茶の1杯でも、などということはなかったのです。そのこともですが「男がじゃま」と警察に通報する杉並区民の民度ってなんだろう、と考えています。

自分で言わない、言えないから通報する。通報を受けたら警察は動かなければならない。動いた警察は言われたことだけやる。そこにいて困難を抱えた人に何もしない。排除して、去る。

通報した人もだけれど警察も、冷酷すぎやしないでしょうか。不作為の罪にならなくても、おてんとさまに対して恥ずかしくないのでしょうか。