京都の総合就業支援拠点「ジョブパーク」に学ぶところ大

生活者ネットの「精神保健・労働」チーム視察より②

マザーズジョブカフェ 昭島市議の篠原ゆかさんと

8月2日に津を訪問した翌日の視察先は、京都府の「ジョブパーク(JP)」。レジャー施設のような響きですが、京都駅から歩いて15分、勤労者総合福祉センター「京都テルサ」の中に設置された「総合就業支援拠点」です。

府が若者の就労問題に対応するワンストップサービスとして「若年者就業支援センター」を設置したのは2003年、いまの山田啓二知事就任の翌年です。以来、この取り組みを中高年、女性、ひとり親家庭、障がい者などに対象を広げ内容も充実させてきた原動力は、知事の「やる気」かと思います。

というのは、施策の説明や施設の案内をしてくれた職員の口から「知事にハッパをかけられて」という言葉が何度も聞かれたからです。また、この事業の「売り」であり特徴のひとつ「府労働局とハローワークとの連携」は、知事が厚労省に繰り返し訴えてようやく実現したといいますから、知事自身も「汗をかいた」ことは確かです。

京都JPのコンセプトはほかにも、「公・労(労働者団体)・使(経営者団体)による共同運営方式」「京都2,000社以上の企業の協力、支援」など立場と垣根を越えて連携することや、「働きたい」という意思ある一人ひとりのニーズへの対応策が採られていることに、学ぶところ大です。

先日、「女性と貧困」の視点で子育てママの労働問題について考えさせられたところです(こちら)が、JPの一環として府男女共同参画センター内に設置されている「マザーズジョブカフェ」は注目に値します。保育の相談や情報提供、保育つき就業訓練から出産後の再就職支援はもちろん、面接用のスーツ・靴の貸し出しまで。文字通り「子育てと就業のワンストップサービス」として機能しています。

JPには留学生コーナーや農林水産業への就労支援、福祉人材確保の取り組みもあり、至れり尽くせりの感があります。ただ、引きこもり対策としての自立支援事業もあるのですが「仕事を続けていける」ような定着支援について、もう少し知りたかったと思いました。