環境教育教員セミナーで「原発」ワークショップに参加する

~先生が授業で原発を扱う難しさ~

環境教育学会という機関があるのを知りませんでしたが、ここが主催する教員対象のセミナーで興味深い話が聴けそうだったので8月10日、参加してみました。

ひとつはESDすなわち「持続可能な社会をつくるための教育」が今年のテーマということで、ESDを実際に展開するヒントが得られるかな、と思ったのと、原発について考える授業のワークショップに参加してみたいと思ったことです。

午前中の分科会は小学校教育における環境教育の展開について、文科省の担当者のお話。昨年から本格実施されている改訂版の学習指導要領の概要について、初めてきちんと体系立てて勉強することができました。

午後は原発を考える授業を実際に体験するワークショップ。旬のテーマなので参加者がいっぱいかと思いきや、私を含めてたった5人。私以外の参加者もスタッフ3人も全員教師で、みなが「原発を授業で扱うことの難しさ」を語ります。

そしてファシリテーターを担った高校の先生以外のだれも、授業で採り上げていませんでした。教科をまたぐ膨大な情報や知識が必要なうえ、イデオロギーにかかわるため教師には扱いにくいといいます。この苦悩は、夕刻からの特別分科会、「原発と環境教育」と題するシンポジウムでも聞かされることになりました。

しかし福島大学の後藤忍さんという准教授はその苦悩に立ち止まることなく、自らの教育者としての良心と責任感から放射線教育のための副読本を作成します。当日資料として配られたので、ざっと読んでみました。

放射線と被ばくの関係をきちんと説明し、一言でいうと「正しく怖がる」ための情報を提供しています。福島第1原発事故の教訓から何を、いかに学ぶか。そのことを教育者である書き手自身が真摯に突き詰めているようすが感じられます。

この副読本以外にも、学会のワーキンググループが作成した授業指導書も資料として配布されました。こういう活動が活発になり授業の実践報告がたくさん聞かれるようになるといいなあと思います。