特別な配慮が必要な子どもの支援を考える~11月議会の一般質問より①~

学習会「子どものSOSを受けとめる オンブズパーソンの設置を」講師の森田明美さんと 11/25

11月20日に行った議会質問について報告します。里親制度や大震災被災地の子どもへの支援を質した「特別な配慮を要する子どもについて」、またフリースクールを採りあげた「多様な学びの場の保障について」。

 いろいろな事情で実の親から離れてくらさざるを得ない子どもを公的に育てるしくみを「社会的養護」といい、より家庭に近い環境で子どもを育てる制度が「家庭的養護」、もう一方は児童養護施設や乳児院などの「施設擁護」です。家庭的養護の代表的なものが里親制度です。 

里親制度については、2010年に杉並区内の里親家庭でおきた3歳の子の死亡事件をめぐって、これまでも議会で質疑をおこなってきました(①②)。 

女の子の死から1年後、当時の里母による暴行が死因であったとして逮捕された女性が、声優として芸能活動をおこない地域でも目立つ存在だったことで、メディアがスキャンダラスに報じました。しかし社会的養護の関係者にとっては、里親制度のあり方が問われる重大な問題として受け止められ、いまも重苦しいしこりが残っている状況です。 

制度を所管する東京都はこの事件を深刻にとらえ、児童福祉審議会の検証報告書には「死亡原因が虐待によるものと特定はされないが死亡に至った経過の中で虐待が疑われる事例」と明記されています。 

表現は慎重ながら「虐待があった」可能性を肯定した、踏み込んだ内容と受け止めました。ただし、女性の傷害致死容疑について東京地方裁判所が7月に懲役9年の判決を下しましたが女性は容疑を否認し控訴しているため、真相は解明されていません。 

すべてが明らかになるにはもう少し時間がかかるのだと思います。しかしそれはそれとして、いま目の前に特別な配慮の必要な子どもがいるという現状に対して、区としての取組みを問いました。(つづく)