杉並区に常設型の住民投票条例の制定を ~区議会の「ネットみどり」代表質問より⑤~

2013年4月7日 00時00分 | カテゴリー: 自治と議会とまちづくり

32万余りの署名が入った段ボールを都庁に運び込んだ日 2012.5.10

昨年は、東京都での原発の稼働の是非を都民みずからが投票で決着をつけたい、として「原発都民投票」の実施を都に求める直接請求運動が市民グループによって展開されました。 

直接請求は、自治法の規定により2か月以内に有効署名数すなわち都内の有権者の2%以上の署名を、生年月日と押印を併せて集めなければならない、という難しい活動でしたが、規定を優に超える数の署名を集めることができました。 

杉並区では9,000筆で足りるところ19,322筆が集まり、選挙管理委員会のチェックを受けたのち有効と判定されたのは17,724筆。東京全体で32万3,076人分の署名が、昨年5月、当時の石原都知事に向けて提出されました。しかし、都議会はこの条例案を反対多数で退け(こちら)、東京都で初の住民投票は実現しませんでした。 

この経験から、東京都に常設型かつ実施必至型の住民投票条例の設置を求める市民の運動が起きています。「常設型」とは住民投票にかける案件の定義や実施要件、また情報提供の方法など、住民投票を行う場合に必要となる手続き項目などを、あらかじめ条例として制定しておくパターンのことです。 

現在のように、住民投票を請求する度に条例案を一から作成して添えねばならないのではなく、請求する住民は、テーマだけを提示すればよいことになります。 

また「実施必至型」とは、規定の数の署名がそろったら議会の議決を経ずに必ず実施されるということです。規定の割合は、現在制定されている自治体の条例ではばらつきがあり、例えば我孫子市では8分の1、つまり12.5%というように、地方自治法の2%よりはハードルが高いのが通常です。

 現在、杉並区自治基本条例及び杉並区住民投票の請求に関する規則があるものの、これらの規定だけでは、住民がどんなに多くの署名を集めたとしても、住民投票の実施は保証されていません。直接民主主義を行使するためのしくみとして、また杉並区が成熟した一人前の自治体となるためにも、常設型の区民投票条例が必要だと考えます。

 最後の質問として、区長の考えを問いました。はたして答弁は「短期間で実施できるメリットはあるが、制度の濫用を招くおそれや頻繁に実施された場合の経費の問題などデメリットがあり、現時点では常設型の住民投票条例制定は考えていない」というもの。

 う~ん、これにはがっかり。田中区長はもう少し理解があると思いましたが…。