中学校の柔道の授業 女子には女性の指導者が望ましい ~文教委員会の質疑より③

2013年11月1日 01時08分 | カテゴリー: 女性・ジェンダー, 子どもと人権, 杉並と東京都の教育と教科書問題

10月28日、オリンピック競技場建設予定地「海の森」を視察

昨年4月より、中学校の保健体育の授業で武道とダンスを履修することが義務付けられました。学校ごとに何らかの武道とダンスを選択しています。取り組み状況を聞いたところ、教師の指導経験や施設・設備の状況に応じて、武道では、柔道を実施した学校は516校、剣道は120校、相撲は22校だったそうです。またダンスでは、現代的なリズムのダンスを実施した学校は407校、創作ダンスは328校、フォークダンスは149校であったとのこと。

 武道では柔道が圧倒的に多いわけです。柔道は二人がペアになって至近距離で直接組み合うスポーツであるため、女子生徒にとっては男性の指導者を敬遠したい気持ちがあるといいます。これは当然と思います。指導者を女性にしてほしいという声も聞いています。 

女性の柔道指導者は、いま教育委員のお一方(山口香氏)はたまたま柔道家とはいえ、そう多くないとは思いますが、思春期の子どもには当然の感情であり教育上配慮すべきです。市区町村にそのような配慮を促す必要があると考え、質問しました。 

都の答弁は、「保健体育の教師は、生徒の発育・発達、個人差、男女の身体面や心理面の差や違いに配慮して指導することが基本である。柔道には、柔道衣を着用し、礼法を重んじ、相手と直接組み合って、投げる、抑えるなどの攻防を行うところに特徴がある。女子の柔道指導においては、体力や能力の違い、身体の特徴や心理的な特性等に十分配慮し、状況や場面に応じて女子生徒への指導方法を工夫するよう区市町村教育委員会や学校を指導している」というものでした。 

そもそも、武道の必修化は、2006年、第1次安倍内閣のもとで教育基本法が改定され、日本の伝統と文化の尊重がことさらに強調された内容に書き換えられたことが発端です。その結果、教育的見地からの議論もスポーツ関係者からの要望があったわけでも、国民的な盛り上がりも皆無であったのにもかかわらず、学習指導要領に武道の必修化が盛り込まれることになりました。 

武道の中では比較的取り組みやすいものとして柔道が選ばれることは予想がつきますが、危険を伴うスポーツであることの認識と、学校の必修科目として取り組むことへの安全対策、その対策を整える時間が十分でないままに昨年スタートしています。

 1983年から2011年までの29年間で学校管理下における柔道による死亡事故は118件にのぼるというデータがあります。柔道には固有の技などの動作があり、それによって頭部を損傷し、また、衝撃が軽くても、死亡に至らないまでも、重大事故につながってしまうおそれがあります。 

女性の指導者を求める質問をしたのは、それができれば指導する男性側にとっても、無用のストレスを避ける意味があり、また安全を確保するためにも重要な視点であると考えたからです。ただ現実には難しそうですが。