民主主義の将来を危うくする「特定秘密保護法」こんな悪法はいらない

SJFアドボカシーカフェで講演する三木由希子さん

11月10日に執行された葛飾区議会議員選挙は、渋谷えみこさんが議席を得られず生活者ネットワークの私たちにとって残念な結果になりました。でも、誕生したばかりの葛飾・生活者ネットワークなので、この地に「市民が主役」の政治を根づかせるべく、捲土重来を期して活動の歩みを続けていきます。 

さて。この間、国会では民主主義の根幹を揺るがすような重要な法案が審議にかけられ、多くの市民の間に不安の暗雲がひろがっています。自民党が圧倒的多数を占める国会で容易に通過してしまうのではないか、と恐れるからです。その法案とは「特定秘密保護法」です。 

「国および国民の安全の確保に資する」として、「特定の」秘密を「保護」するために、秘密に近づくことを管理し、秘密を漏らした人への罰則を強化する、という。ところが、何が「特定の秘密」に該当するのかという基本的な考え方は非公開、知らされないのだといいます。 

何が秘密かわからないのに、知りえたことを発信してそれが「特定秘密」だったら罰せられてしまう。それではジャーナリズムは事実に近づくことさえしなくなり、完全に消滅してしまいます。 

秘密指定の有効期限は上限5年とされますが、更新可能であり、ことによれば永久に秘密とされることもあるという。国民の知る権利は否定されたも同然で、すなわち民主主義とは完全に逆方向に進もうとしているのがこの法律の悪法たるゆえんです。 

だいたい、こんな法律がなくたって、国の防衛に関わる情報や、核や原発の情報も国民にはひた隠しにされてきたし、沖縄の返還に絡んだ密約問題を暴いた西山太吉氏は罰せられたではありませんか。 

なぜこのような法律がいま必要なのか。

 法案が閣議決定される前日の10月24日、「ソーシャル・ジャスティス基金(SJF」が開催したアドボカシーカフェ「国家秘密と情報公開 ―特定秘密保護法案は、秘密のブラックホールか!―」に参加して、この疑惑がさらに強くなりました。 

この日の講師、NPO法人 情報クリアリングハウス理事長の三木由希子さんは「ヒミツを守りたい人だけの枠組みで完結させてはダメ」と言い「秘密を民主的に管理・コントロールするきっかけにする必要があるのでは」と提起します。 

それができないなら、この法案は廃案にすべきです。民主主義の将来を危うくする悪法はいりません。