婚外子格差を解消したら「堂々と不倫してしまう」?…某政党法務部会の議論とか

壁に貼りだされたのは日本国憲法の抜書き。

11月17日、杉並の市民グループが開いた、家族法や婚外子差別を考える集会に参加しました。題して「家族法の現状と課題 ~女性・婚外子の差別撤廃を今こそ~」。主催は「子どもの人権を考える会」、共催は「杉並女性団体連絡会」と「出生差別の法改正を求める女たちの会・杉並」です。 

弁護士の打越さく良(さくら)さんの「婚外子差別撤廃と選択的夫婦別姓、家族法の課題」と題する講演、同じく弁護士の吉岡睦子さんによる法制審議会の報告をメインに、フロアのヤンソン柳沢由実子さんはじめ多彩な参加者による発言もあって、企画者の熱意が伝わるすごく中身の濃い学習会でした。 

企画したのは元杉並区議の富沢由子さん。自身の非婚での出産後に経験したかずかずの非合理にして無慈悲、不条理で、差別的かつ非人間的対応から「出生差別の法改正を求める女たちの会」を立ち上げ、人間性を取り戻すべく長い活動の歴史を始めた、意志と執念の人。 

9月に最高裁が「婚外子差別は違憲」とする判決を出し民法は改正されることになったけれど、戸籍法の改正は見送られることが決定しています。遺産相続での「婚外子は半額」という不利益は解消するが、出生届けでの「嫡出子」「嫡出でない子」のどちらかにチェックを入れる欄は残されることになります。 

つまり婚外子の烙印を残すということ。それは差別・選別以外の何物でもありません。「自民党の保守派が猛反発したから」だと東京新聞が報じています。民法改正が議論された党法務部会では「『堂々と不倫して子どもをつくってしまう』という極論まで飛び出した」そうです。笑っちゃうじゃありませんか。 

笑っちゃうけど、自分の出生を選べない子どもに対する「いじめ」をこういう形で公然と規定する国の民度って何だろう?そういう制度に固執する人が多数派という国会って何なんでしょうか?