七生養護学校裁判の判決を遵守させる陳情、文教委員会で不採択に

221日に開かれた都議会文教委員会で、都立七生養護学校(当時)の性教育をめぐって争われていた裁判に関する陳情の審査が行われました。

 陳情の内容は、昨年1128日に確定した判決を受けて、原告側の元教諭たちが事件当時の都議3人や都教委に対し「反省を求め」、「教育現場の実態に即した調査もせず、教育現場の判断を尊重することもせず、政治的思量を優先させた今回のような『教育への不当な支配』を繰り返させないことを、都議会として確認する」ことなどを求めたものです。

 知的な障がいがある子どもに対する性教育は、性的なことがらに対する理解が十分ではない、でも性への関心がストレートに行動に出てしまいがちな子どもに対して、どうしても避けて通れない課題です。この課題に正面から取り組んだのが七生の実践だったといえます。 

子どもたちがきちんと理解できるように、体のしくみがわかる模型として手作りの人形などが使われていたことを、判決は「望ましい取り組み方であった」と評価しています。ところがこれが没収されたままになっており、現場に返すよう質疑の中で求めましたが、都教委の答弁は「児童・生徒の発達段階や学習要領を踏まえない不適切な指導で使用されていた教材であるため、今後とも返却する考えはない」という、驚くべき硬直化したものでした。 

私は次(点線以下)のように述べて採択を主張しましたが、賛成少数により不採択となってしまいました。 

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七生養護学校当時の性教育、いわゆる「こころとからだの学習」は、身体の発達と知的な理解の間にギャップがある子どもたちに対しては、現実に即した教育が必要だとして、必要に迫られて開発され、創意工夫を重ねて練り上げられていった教育実践だったと思います。 

そしてそのきっかけとなったのは、性にまつわる深刻な事件が身近なところで起きてしまったことです。子どもたちを加害者にも被害者にもさせないためにも、人間性を学ぶためにも、この学習は復活されるべきと考えます。 

判決では「教員の創意工夫の余地を奪うような細目にまでわたる支持命令等を行うことまでは許されない」とされ、さらに「本件性教育は学習指導要領に違反しているとはいえない」と述べています。都教委は「学習指導要領を踏まえない不適切な指導」うんぬんとおっしゃいましたが、ここまで強弁されることは、都教委の信頼を損なうことになりかねません。 

訴えを起こした元教諭の方たちの教育者としての誇りを取り戻すためにも、都教委の信頼回復のためにも、都教委は今回の判決を真摯に、謙虚に受け止めるべきです。何より教材は速やかに学校現場に返却されるべきであり、陳情にあるような「不適切な例」として記載した「性教育の手引き」は改正されるべきと考えます。