ドン・ジョバンニの泉とカルメンの白壁と ~スペインのおもてなし~ 夏の旅より①

2014年8月15日 08時26分 | カテゴリー: 憲法・平和・社会, 映画・オペラ・おたのしみ

マドリードの国立歌劇場 8/12

盛夏の東京を離れてヨーロッパに来ています。オーストリアのザルツブルクで2日間過ごしスペインへ飛んでグラナダでアルハンブラ宮殿などを観光、それからコルドバに立ち寄ってマドリードで1泊してザルツブルクに戻るというスケジュールです。

 スペインは27年前に来て以来これが2度目。ニューヨークに住んでいた当時、クリスマス休暇に家族5人で来て、ガウディの建築を見に行ったバルセロナで、3歳だった末の息子が車にひかれて脚を骨折するということがありました。息子は救急車で大きな病院に運ばれましたが幸いけがは軽くてすみ数週間でもと通り歩けるようになりました。

 それから6年後、上の息子が高校生のとき1年間ホームステイ留学したのがこの国。子どもがお世話になった国にいつか恩返しを、という思いがずっとあります。

 そんなスペインにドイツ語圏から入ると、飛行機から見下ろして明らかに景色が一変します。森の世界から乾いた土地へ。緯度はそれほど違わないのに照りつける太陽の力が強烈。その土にはどこまでも続くオリーブ畑。食文化も全然違う。人の気質が違うのも当然でしょう。

 飛行機や電車の窓から見ていて、発電用風車がたくさん目につきました。低い山が連なる地形のところに、風力発電用の白い塔が集団で建っているのは、この国の風景の一部になっています。今回訪れたグラナダやコルドバでは、イスラム社会にキリスト教があとから入ってきて強固なカトリック国が築かれた一方で、イスラムという異教文化が歴史の表舞台から退けられた―という物語を感じとりました。

 オペラ「ドン・ジョバンニ」「カルメン」「セビリアの理髪師」もスペインが舞台です。ドン・ジョバンニが女性を口説いた泉やカルメンが裸足で飛び出してきそうな白壁がいまも健在するまちは豊かです。流浪民族ロマの居住地区をグラナダで歩いてみて、ロマの女カルメンを主人公に据えて傑作オペラを世に出したビゼーの、社会をとらえる目の確かさをあらためて思いました。

 さて東京では6年後のオリンピックを意識して、外国人おもてなし作戦がいろいろ進行しています。でも新しいモノを造るより歴史の源流をたどって江戸文化のルーツを再評価すること。おもてなしはまずそのことから始めるのがよいのでは、と考えさせられました。