投票率84.6%の成熟度 スコットランドの住民投票

2014年9月21日 02時11分 | カテゴリー: 憲法・平和・社会, 自治と議会とまちづくり

 

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まるで自分の国のことのように熱く見守った、スコットランドの住民投票でした。現地時間で918日、英国から独立するか否かが問われ、結果は45対55で反対多数となりましたが、なんと84.6%もの有権者が投票しました。登録した住民16歳以上の8割以上が投票するとは、すごいことです。 

世論調査で独立賛成派がリードと発表されると、世界中の注目が集まりました。賛成に民意が傾いたことに危機感をもったエリザベス女王が「慎重に判断を」と異例のメッセージを発表し、キャメロン首相が「痛みを伴う離婚」はやめようと訴え、投票の動向に目が離せなくなりました。

 面積こそ日本より狭くても英国は世界を動かす大国のひとつ。もしスコットランドが独立すれば、世界経済に大きな影響がおよぶことは必至でした。しかし300年前までは別の国で、油田を持つスコットランドにすれば、独立によりその利益が即、自分たちの使い方で生かす、核配備の基地を自国外に移転させる、などが可能になるとして、「自治」に向けた民意を育ててきていました。 

私としては心情的には独立を応援したい、でも現実を考えるとリスクが大きい。イタリアの原発政策の是非が問われた国民投票のときとは違って、結果を待つ気持ちも複雑でしたが、「NO」が過半数と決まって正直なところほっとしました。自由と自治を応援したい気持ちはいつでもあるけれど、これでよかった。 

なにしろ、何度でも言いますが投票率がすごい。85%というのは、感覚的にほとんど全員という感じでしょう。16歳以上に投票権を与えた見識もすばらしい。民主主義の成熟度を見せられた思いです。市民がオープンに賛否を表明し、議論しキャンペーンを盛り上げる手法も、好ましく感じました。 

スコットランドの市民の45%が望んだ自治権拡大は、英国にとって大きな課題として突きつけられました。このことは他の地方にも当然ひろがっていくべき動きでしょう。今回の住民投票が、世界の各国に自由と民主主義を深く根付かせる風を送ることになればいいなあと思います。