子どもの学びを応援するしくみに期待する ~決算特別委員会の質疑より⑨

 

児童養護施設を退所した子ども・若者の相談支援を行う「ゆずりは」を視察 5/8

生活者ネットは、児童養護施設を出た後に継続して自立を支える「アフターケア」について、これまでも質問してきました。いきなり社会に放り出すのでなく、その前に相談に乗ったり、さまざまなサポートをしたりする自立支援コーディネーターが全施設に配置されるよう求めています。 

2013年度から、都は関係機関とも連携し、入所児童の自立支援や進学に向けた準備から退所後の相談支援等を行う自立支援コーディネーターを、児童養護施設に専任で配置する取組みを行っており、13年度は、49の施設で実施しました。 

自立支援コーディネーター等によるアフターケアは約2,000人の退所児童に対して実施され、電話や来所時の相談対応、職場や家庭訪問などの支援は、のべ約23,000回になっています。一人当たり10回以上のケアを受けられたということです。 

その一方で施設によって受けられない子がいるということでもあり、すべての施設にコーディネーターが配置されるよう、施設への働きかけや人材育成、施設側の受け入れ体制づくりなど、推進してほしいと都に要望しました。 

都は、施設にいた子どもが経済的理由によって大学や専門学校への進学をあきらめることなく学び続けられるような支援として、独自の補助を実施し効果を挙げていると聞きます。その状況について質問しました。 

答弁によれば、大学や専修学校等に進学する際に必要な入学金などを都は独自に支援し、昨年3月に高校を卒業して大学等へ進学した児童養護施設の児童の割合は、全国12.3%に対して都は19.8%、専修学校等へは、全国10.3%に対して都は17.7%でした。

 子どもの学ぶ機会の保障、そして施設を出た後でも社会が応援しているというメッセージを伝える意味でも、この取組がさらに広がることを期待します。