身近にある化学物質を減らすために~2/27都議会の一般質問より③

有害な化学物質の使用量を減らし、適正な管理で環境中への排出量を抑制するため、都は、事業者自らが化学物質の移動や排出量を把握し適正に管理することを環境確保条例で定めています。この制度によって、届出された化学物質の年間排出量は、2002年度から10年間で6割削減され、大気中の有害大気汚染物質の濃度も低減しています。

 都の化学物質適正管理制度は、国のPRTR制度より小さい事業者も対象としていますが、対象物質の種類は少なく、対象外の化学物質も都内では多く使用されています。さらに、化学物質を扱う事業所と住宅が近接、または混在している地域では、化学物質の影響が他の地域と異なることが考えられます。

 現在は対象外でも、有害性や排出量が多いものについて対策を進めるべきです。化学物質は、事業者だけでなく家庭でもさまざまなものが使用されています。中毒症状やシックハウスなど、化学物質が直接健康被害を起こす場合もありますが、使っている化学物質が揮発して、大気汚染物質である光化学オキシダントやPM2.5の原因にもなります。 

家庭などで使われる製品から排出される揮発性有機化合物(VOC)は、都内のVOC総排出量の16%を占めています。日常生活で出るVOCを削減していく必要があり、消費者がVOCの少ない製品を使うよう、都がすすめることが重要です。 

環境局長から次のような答弁がされました。

 「都は化学物質適正管理制度を設け、事業者自ら作業工程を見直し有害性のより低い化学物質への代替を図るなどすすめてきた。しかし、制度の対象外の化学物質への対策も必要であるため、来年度は、学識経験者等による検討会を設置し助言を得ながら、有害性が高く排出量が多いと考えられる化学物質を選定し、事業所周辺大気における化学物質の濃度を把握していく」。 

また、「都民が水性塗料や可燃性ガスを使わないスプレーなど低VOC製品を選べるよう、リーフレット(写真)を作成して周知を行い、光化学スモッグが発生しやすい夏には、事業者にVOC排出削減を依頼し、都民にも広報などで削減の協力をお願いしている」とのことでした。