またしても「育鵬社」を採択! 都教委の恣意的なふるまいに憤り

2015年7月23日 16時43分 | カテゴリー: 杉並と東京都の教育と教科書問題, 白鴎有志の会

2015年は中学校で使う教科書の採択替えの年にあたり、右傾化を強める安倍政権のもとで、「新しい歴史教科書をつくる会」系列の教科書を選定する地域が増大するのではと懸念されています。 

「つくる会」系の出版社が作成する教科書は、文科省の検定を通過したといっても、歴史的事実をゆがめて第2次大戦を賛美し植民地支配を正当化するなど、多くの歴史学者や民主的な教育を求める人びとから批判を浴びている、右翼的傾向のつよい教科書です。

 都立中学校では、2005年に台東区に白鷗高校附属中が開設されて以来10年間、この「つくる会」の教科書が使われ続けており、このことを問題視して取り組んできた白鷗の卒業生として、私は今年の採択に注目していました。

 7月23日に開かれた都教育委員会では、20人限定の傍聴席にくじ引きで運よく入ることができ、教科書採択のようすを傍聴しました。どのように議論がされるのかと思いましたが審議とは名ばかりの投票が無記名で行われ、「つくる会」系列である「育鵬社」の教科書が来年度から引き続き4年間使用されることが決定しました。

 都立中高一貫校10校では「学校ごと」「種目ごと」に採択が行われるので、他の教科では学校によって選ばれる教科書が異なっています。10校とも同じ出版社というのは社会科以外には美術だけです。それなのに、この10校すべてと、特別支援学校(中学部)の視覚障がいを除く全校で、「歴史的」「公民的」いずれの分野でも採択されたのが「育鵬社」だということは恣意的というほかありません。

 民主的な教育を求め「『つくる会』を採択するな」という2,500筆以上の署名をまたしても無視した都教委のふるまいに対し、言いようのない憤りを感じています。

 ただ、2004年・2005年の都立中高一貫の設立当初は、当時の「つくる会」系出版社だった扶桑社が「全員一致で」選定されていましたが、今回は「4対2」で多数決による選定となりました。6人の教育委員のうち2人は「つくる会を選ばなかった」ことになります。無記名投票のため、その2名がだれかわからないのが残念です。