熊本地震 これを機に“災害時用液体ミルク“の開発を

これは新生児用2オンス(59㎖)の液体ミルク、プラスチック容器入り。米国製

これは新生児用2オンス(59㎖)の液体ミルク、プラスチック容器入り。米国製

4月14日夜に熊本県で発生した震度7の地震は「前震」と呼ぶにはあまりにも大きな地震でしたが、16日未明の同じく震度7の「本震」以後は大分県などにまで活動エリアを広げ半月以上たっても余震が収束しません。

2週間後には余震の数が1,000回を突破。自宅が倒壊していなくても家を出て避難所や車内で避難生活を続ける人が多いのも、うなずけます。絶えず家が揺れてこわい、いつまた大きな地震がくるかもしれない恐怖…。

過酷な避難所生活、エコノミークラス症候群による死者の多発を見るにつけ、阪神・淡路大震災、新潟県中越地震、東日本大震災を経験してもなお、この国の地震への備えが不十分だったと思わずにいられません。

避難が長引くにつれ生活に必要な物資は変わっていきますが、乳幼児を抱える親にとっては終始、ミルクの確保が最優先の課題でしょう。母乳が十分ならその必要はもちろんありませんが、生後1か月時点で母乳だけの育児は半数以下と言います。

都内自治体は、災害時用に調製粉乳と哺乳びんを備蓄することが東京都地域防災計画で定められていますが、問題はそれだけでは赤ちゃんに飲ませられないということです。哺乳びんを消毒し、お湯で粉ミルクを溶かし、人肌に冷ましてからでなくては飲ませることはできません。

はじめから液体状で容器に直接乳首をつければ直ぐに飲ませることのできる「液体ミルク」があればどんなに助かることでしょうか。

都議会の予算特別委員会でこのことを質問に取り上げた(こちら)ときには、その翌月に大地震が起きるとは思いませんでしたが、避難所のようすがテレビで報道されるようになると、赤ちゃんのミルクがどうなのかと気になって仕方ありませんでした。

何しろ日本で液体ミルクは製造も販売もされず、しかも個人輸入でしか手に入れることができません。そんな中、日本フィンランド友好議員連盟が動いて赤ちゃん用のための液体ミルクが緊急輸入されたと新聞報道で知り、ほっとしました。

「お出かけや災害の時に赤ちゃんがすぐ飲める乳児用液体ミルクを、日本でも製造・販売してください!」という市民の要請活動が広がっています。国は、この声に応えるべきです。そしてアレルギー対応の液体ミルクの開発にもぜひ、取り組んでほしいと思います。