3月22日の文教委員会の質疑より④ ~都立高校の制服、ポスト全共闘世代の思い

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高校等への入学にあたっては、さまざまな費用が発生します。その中で大きな部分を占めているのが制服代です。都教委は、これまで都立学校の制服の状況を十分に把握していなかったため、昨年12月、都立学校全校に対する調査を実施しました。 

それによると、都内296校のうち制服を導入しているのは6割近くにあたる168校で、その価格は、男子の場合、最高55,350円から22,896円までの幅があり、平均は39,704円、女子は53,460円から25,920円までの幅があり平均価格は40,624円となっています。 

一度購入すれば毎日何を着るかで悩まなくてよいし経済的で便利、という声がある一方で、ほかにも何かと出費の多い入学時に負担が重なるのは厳しい、という声は毎年必ず聞きます。 

ところで「制服」と「標準服」は違うのか、違うとすれば何がどう違うのでしょうか。都教委の説明では、毎日着るのが「制服」、行事のときだけ着用するのが「標準服」、と使い分けているそうです。 

全日制では173校中86%に上る149校で「制服」が定められ、13校で「標準服」が導入されています。完全に私服通学となっているのが全日制高校では11校だけであり、ほとんどの全日制で制服・標準服が受け入れられていることはさておき、不登校経験者の多いチャレンジスクールでも制服が導入されていることには疑問を感じるところです。 

しかしここ数年の間に制服を導入した学校があると聞きます。都立学校が新たに制服を導入する場合、学校はどのように決定しているのか、質問しました。 

都教委の答えは、「校長は、生徒の在籍意識や責任感の醸成、通学に必要な衣料費にかかる保護者負担の軽減など、制服導入の目的を学校経営計画により明らかにしたうえで、関係する教職員の意見を聞くとともに、生徒・保護者の同意の下、導入を決定している」とのことです。 

続けて「制服の導入が生徒や保護者からたいへん喜ばれているとの報告を学校側から受けている」という答弁を聞くと、高校の制服がイヤで仕方なかったポスト全共闘世代のひとりとしては、心にざわつくものがあります。高校紛争のころ、生徒たちによって制服廃止が広がった時代、あれは何だったのでしょう。