4月18日の豊洲問題特別委員会の質疑より② ~都は科学への過信と都民への背信に向き合え

地域のイベントの打合せで4/27

2年間のモニタリングによって、豊洲の環境対策が十分であったか、盛り土がなかったことによる影響をどのような対策でカバーできるかについて、専門家会議は検討しています。9回目のモニタリング調査で高い汚染値が出たことにより、評価をいったん棚上げして再調査を行い、その結果、環境基準を上回る汚染が、残存していることが明らかとなりました。 

環境対策は十分ではなかったのです。にもかかわらず、専門家会議は「飲むわけでないから安全だ」という見解を出しました。自ら提言した対策が、盛り土といい、地下水位といい、達成していなくても、汚染が残っていても、もともとの目標が高すぎたので、下げてよしとするという。これはどう考えてもおかしなことです。 

汚染が検出されても安全であるというなら、何のために再調査をしたのか、再調査の意味がなくなってしまうではありませんか。PTチームのセカンドオピニオンでは、達成できないからと言って目標値・基準値を下げればよいという、科学者らしからぬ考え方をぜひとも打破してほしいです。 

都民や事業者が望むのは、豊洲であろうと築地であろうと、安全・安心の市場です。PTチーム座長が329日の第7回会合で示した土壌汚染に関する評価は、モニタリング調査の結果は目標と掲げた「無害化された安全な状態」を達成できていない、との評価です。報告書もその方向でまとめられるものと期待します。 

豊洲を市場移転先と決めた当時の石原知事は、日本の科学の粋をつくして、徹底的に汚染除去を行うと約束しました。そのための対策を諮問された専門家会議は、除去方法とともに、除去し残して汚染が残ったとしても、盛り土と地下水管理でカバーできると提言しました。 

しかし、この約束はすべて反故にされました。しかも、都は、盛り土については、すべて施したうえで建設していると虚偽の説明までしていたのです。 

今日の混乱の元凶は、石原元知事が汚染の地を市場の移転先に選んだことにあります。都議会は、多数決で立ち止まらせることができませんでしたが、附帯決議により、無害化された安全な状態で開場することを条件と課したのです。無害化された安全な状態とは、「環境基準以下にすること」と議会答弁がされています。この条件が満たされなかった以上、決議した議会として、豊洲移転を許すわけにはいきません。 

都は、科学への過信と、都民への背信に真摯に向き合うべきです。