米国産牛肉輸入の根拠は疫学でなく「貿易学」?

2006年4月24日 23時28分 | カテゴリー: 食と農業

GM作物とBSE 問題の本質は同じ

新潟県での遺伝子組み換え(GM)イネ栽培実験の差し止めを求めて、地元生産者と消費者が提訴しています。この裁判を支援する学習会に行きました。「遺伝子組み換え/まだイネを食べても安心か、それとももう最後の晩餐会は間近か?」という目を引くタイトルにつられたせいもあります。
ところが行ってみると、講師はBSEに詳しい分子生物学者、福岡伸一氏だし講演の内容もすべてBSEに関することです。おや、と思いましたが「GMイネとBSEの問題の本質は同じ」と言及され、なるほどと思いました。生態系や自然の摂理、持続可能性を無視あるいは破壊してまでも経済効果を追い求めた結果がGM作物やGMイネでありBSEなのです。

米国は20ヵ月以下の牛に限定して日本に輸出し始めたとたんに問題を起し停止に追いやられたばかりなのに、30ヵ月以下にまで緩和せよと日本に迫りました。30という月齢の疫学的な根拠を質問した参加者への福岡さんの答え、「疫学でなく『貿易学』的に意味があるんです」には笑ってしまいました。

食の安全論議に必ず引き合いに出されるリスク論は「あやうい」と福岡さんは言います。多少のリスクはあっても安い牛肉を食べたい、と言う消費者は確かにいますが、「食に対してコンシャス(意識する、気づいている)でない人にしわ寄せがいくしくみになっている」という指摘に国は耳を傾けてほしい。

アルツハイマー病患者とされる人のなかに実は狂牛病患者が含まれているといううわさは本当か、と聞いた質問に対する答えはショックでした。福岡さんはなんと、「おそらくその通りだと思う」というのです(!)。

アルツハイマーとヤコブ病は症状がよく似ているがヤコブ病について医者は知らない、両者を見分けるには死後の脳からサンプル採取し生化学検査が必要だがそのようなことはまず行われない、BSE感染牛の発生やアルツハイマー患者数が増えていることと考え合わせると大いにありうることです、と。

先週、日本で25頭目に当たるBSE感染牛が見つかりましたが、これら25頭の感染ルートも原因もまだ解明されていません。