終わり方が釈然としない・・・協働事業提案制度

区議会第4定例会の質問から ⑥

杉並区が、基本構想「21世紀ビジョン」を2001年に制定以来、他の自治体に先駆けて協働の推進を図ってきたことは、多くの市民・NPOとともに推進を担ってきた生活者ネットワークとして、高く評価しています。

この間、「NPO・ボランティア活動及び協働の推進に関する条例」の制定、協働ガイドラインの策定など、制度や仕組みをつくる過程にも区民やNPOなどが参画し、それゆえの協働の成果も挙げてきていると認識しています。

ガイドラインに基づいて04年度より試行されている「協働事業提案制度」は、文字通り協働の作業でつくりあげられた、NPO等から提案するしくみであり、事業計画の具体化段階から実施過程でも所管課との協議がなされる、実施中・実施後に公開での評価がなされるなど、画期的な制度と考えています。

3年間の試行事業ということで総括の時期になりましたが、所管課のみによる総括でなく応募団体、審査に当たった委員、NPO支援センター、一般区民、協働事業に関わっているNPO等もふくめた関係者によってなされるべきです。

行政だけで事業の評価や継続の判断をすることは、協働のガイドラインに述べられた透明性が担保されないと考えます。また、この制度がこれで終了となるなら、今後ふり返り段階での協働事業の実施中・実施後の評価はどこが行うことになるのか、など区にたずねました。

これに対する答弁は、「協働事業提案制度の実施を通じてNPOと区双方の『協働』についての認識を高めNPOの事業意欲を喚起することができた」としたうえで、「NPOの独自性や地域の視点が薄れてきて、単に資金負担を区に求める提案が顕著になった」という考えを示しました。

今後は学識経験者、区内のNPO関係者等で構成される「NPO等活動推進協議会」で現在進行中の事業の評価やあり方なども検討することになる、と区は述べましたが、協働を担ってきた一方のNPO側にすれば、釈然としないものが残りました。