オリンピックの熱狂を離れて音楽祭へ

ザルツブルクにて①

夏休みをとって今年もザルツブルク音楽祭に来ています。ザルツブルクは世界遺産にも選ばれたオーストリアの古都。モーツァルトの生地、そして指揮者で音楽祭の産みの親でもあるカラヤンの生まれたところです。

またサウンド オブ ミュージックの舞台ですが、考えてみると映画の中で音楽好きのトラップ一家がモーツァルトについてふれていなかったのは不思議です。

不思議といえば、今年はカラヤンの生誕100年にあたり、日本ではTVで記念の特別番組がつくられたほどなのに、当地ではそれらしい広告が見当たらないこと。町のなかを流れるザルツァッハ川にかかる橋のひとつ、マカルタ橋のたもとにカラヤンハウスはありますが、いつもの年と変わったところは見られません。

観光客に日本、韓国、中国の団体客をほとんど見かけないのは、原油高とオリンピックのせいでしょう。北京の熱狂はTVの一部の番組とインターネットを通じてしか伝わってきません。

そこへとびこんできた「グルジアにソ連が空爆」のニュース。戦闘地がまたひとつ、増えてしまった —。
これから観るのを楽しみにしているグノーのオペラ「ロミオとジュリエット」では、ロシア人のアンナ・ネトレプコの出演キャンセルにより、グルジア人のソプラノがジュリエットを歌うことになっています。大役を新人が立派に歌いきれるよう、応援したい気持ちがいやが上にも大きくふくらんできます。

写真 サウンド オブ ミュージックにも出てきたミラベル庭園で