自転車の走る町、川のある町はいい

環境志向、健康志向が進むヨーロッパ

今回のヨーロッパ旅行で気がついたこといくつか。

ザルツブルクの町に自然食専門のスーパーができていた。ホテルの部屋の照明がすべて白熱電球でなく蛍光ランプだった。バスルームに「環境のためエネルギーの節約にご協力を」のプレートがあった。分煙席を設けたレストランが増えた。町角ごとに駐輪スペースが設置され、町なかを走る自転車が増えた——。

増えた、なんてものじゃなく急増といっていいほど、石畳の坂道もなんのその、こどもも大人もヘルメットをかぶって、軽装の旅行者もスーツ姿の地元のビジネスマンも、弦楽器を背負った音楽家も、自転車に乗った人の多いこと!

町なかを流れるザルツァッハ川の沿道や観光名所のミラベル庭園内には自転車専用道が整備されています。町には貸し自転車のシステムも以前からあったはずですが、たしか去年まではこんなには駐輪スペースもなかったと思います。

大人同士あるいは大人と子どもの二人乗り用、赤ちゃんを乗せたベビーカーを引くタイプ、荷物を引く三輪車など、いろんな型の自転車が風を切って走る光景が見られ、その分車の数は減ったように思いました。

さらにもうひとつ。ザルツブルク、フィレンツェに共通する「川」のこと。

片やザルツァッハ、もう一方にはアルノという川が、いずれも町を趣のあるものにしていることは、一昨年の「善福寺川フォーラム」での高橋裕さんの講演「川を見ればその都市の気品が分かる」の言葉のとおりだと思いました。

環境志向、健康志向が高まっているのをさまざまな場面で目にしました。また飛行機で移動中、上空から風力発電の風車が群れをなしたエリアをいくつも見ました。たぶんドイツだったのか、それは牧歌的な風景というより「元気に電気を生産してるよ!」とアピールしている姿に見えました。

写真 ザルツブルク、モーツアルト広場の貸し自転車ステーション