「子どもの権利条例」のあるまちの地域運営学校

川崎市立土橋(つちはし)小学校を視察する

区議会定例会が近づき一般質問の準備で忙しいのですが、10日は東京・生活者ネットのメンバーと川崎市の地域運営学校、市立土橋小学校の視察へ。都議選に向けた子ども政策づくりに役立てるための学習です。

子どもの権利に関心のある私たちにとって川崎は先進地。2000年に市が「子どもの権利条例」を制定し、子どもに関する行政施策を総合的に進める体制が整いました。たとえば、子どもの意見表明権が制度として保障されています。

条例制定の当時、教育委員会の人権担当主事としてかかわったのが山田雅太さん、いま土橋小校長です。土橋小は06年の新設校で、同年12月に地域運営学校へ移行。開校前から保護者や地域の人たちはもちろん、「子ども委員会」も立ち上げて地域運営学校になるための準備を進めてきたのだそうです。

「子どもの意見を聞く」しくみは学校運営協議会の「子ども部会」へと引き継がれ、年2回、運営協議会の中で「子どもの意見を聴く会」が開かれています。この「子どもによる政策提案」から、「土曜フェスタ」の開催、異学年交流、「ささのはコンサート」に老人ホームや保育園を招待する、などが実現しています。

その夜開かれた運営協議会の傍聴もさせていただきましたが、子ども部会からとして、今年度の「意見を聞く会」開催に向けた進捗状況が報告されていました。討議で盛り上がっていた「つっちーブック」の制作は、どうやら杉並区桃四小学校の「ももしブック」からヒントを得たもののようです。

「杉並区には芝生の和泉小と地域運営学校の桃四、2校に視察にうかがいました」と山田校長に言われましたが、他の協議会委員の間でも「桃四」は知られ、杉並区は「教育先進区」と思われているようです。う〜ん、そうなのか・・・。

でも「決める前に子どもに聞かなきゃ」「子どもに教えてもらおう」という土橋小の姿勢は、杉並の学校にあるのかどうか。・・・たぶんないでしょう。山田先生を見ていると、「子どもの権利」という理念が人を謙虚にするのかな、と思いました。

写真 山田雅太校長と