発達障がい者家族のネットワークづくり支援を

第1回定例会の一般質問より④

先日、生活者ネットの事務所に、30代の発達障がいの男性と親御さんが相談にみえました。他の人と意思の疎通を図ることが難しく知的障がいも併せ持つ息子と二人暮らしというお父さんは、発達障がいに対する無理解が行政窓口でさえ見られる、と受付対応への不満を訴えておられました。

そのことからもわかるように、発達障がいの特徴や接し方についてはまだ認知度が低く研究途上にあるといわなければなりません。

一般の人だけでなく、作業所や生活園の職員やスタッフ、職業訓練、ジョブコーチ、就労支援などにあたる人の中にも、発達障がいの特性は理解していても、個々の対応における些細な不備でのトラブルが当人の地域生活を困難にしている場合があります。

職員・スタッフは事例研究が欠かせませんし、区民一般への普及啓発は区の責務であり、積極的な取り組みを期待したいところです。

また先の親御さんと話していて感じたのは、この障がいは家族同士のネットワークができにくいのではないか、ということです。当事者が子どもの場合は、こども発達センターなどを通して他の親御さんたちと知り合うきっかけがもて、情報交換や悩みを分かち合う関係を結ぶことができるでしょうが、成人の場合はその機会が乏しいように思いました。

発達障がいは、子ども対象の施策は整えられてきていますが、成人のほうがもっと大変です。18歳以降のほうが人生はずっと長く、年を重ねるにつれ、子ども時代よりも複雑な問題が家族など周辺にも生じてきます。

30代、40代の発達障がい者の親御さんは自分が高齢化していくことの不安を募らせていくでしょうし、今のような経済不況でいちばん打撃を受けるのが弱者だというのは、残念ですが事実です。

家族同士のネットワークづくりや、そのような活動をしている市民団体への支援などをふくめて、区の前向きな取り組みを求めました。