自宅で最期を看取るということ

2009年5月17日 16時41分 | カテゴリー: みんなの健康と福祉

お医者さんに聞く在宅ターミナルケア

5月16日、久しぶりの「ネットサロン」。杉並区内の開業医、甲田潔さんをお招きして在宅ターミナルケアを考える会をもちました。

参集したのは、義父母を看取った経験者やヘルパーとして終末期にかかわった人、90代の義父と同居している人、97歳で独居の親を持つ人、ケアマネージャー、ケア24(地域包括支援センター)職員…など多彩な人たち。

いま日本では、1年間に亡くなる約110万人のうちの90%は病院や施設で最期を迎え、在宅はわずか10%だそうです。昔は自宅で亡くなるのがふつうでしたが、76年ごろに比率が逆転し今に至っているのだということです。

その在宅率10%を40%に高めていくための地域医療の制度として、厚労省が設置したのが「在宅療養支援診療所」、甲田医院も登録診療所です。医療機関の手あげ・届け出で24時間365日、連絡が取れることが条件なので、職住が離れている「ビル診(ビルの中にある診療所)」がこの条件を満たすことは難しいようです。

登録診療所はまだ足りないし、この制度が有効に機能するためには医療に限らず地域のさまざまな機関との連携が欠かせません。甲田先生から「在宅医療の総合相談窓口が必要です」と意見が出されると、利用者の立場からもそれは絶対ほしい!という声で盛り上がりました。

人生の最期のときを、どこでどのように迎えるのか。高齢者や末期がん患者にとってそれは、終末期医療の選択をどうするかの問題である以上に、同居家族の物理的かつ時間的に可能であるかに左右され、またその意思が自分の想いよりも優先される問題であるといえます。

「家族に迷惑をかけたくない」という気持ちが施設での最期を選ばせている、でも本当は在宅でそのときを迎えたい、と考える人の多いことは、以前に市民団体が行った調査結果からもわかっています。

末期がんにおける痛みのコントロールも以前より改善されたといい、地域にターミナルケアを支援するしくみが整っていれば、「在宅」を選択して家族と暮らしながらその人らしい最期を迎えられるケースがもっと増えるに違いありません。