「つくる会」分裂は重要な問題をはらんでいる

2009年6月22日 08時43分 | カテゴリー: 杉並と東京都の教育と教科書問題

09年第2定例会の一般質問より⑤

4年前、要綱が改定され採択機関が審議会から調査委員会へと変えられたことが事実上の格下げにあたるのでは、という不信を払拭することができません。

もとの「審議会」には、現場の専門家である教師たちの議論を重視し最終判断に反映させる役割があったと思います。ところが「調査委員会」は、「種目別調査部会」からの調査を受けて教育委員会に報告する下部組織とされ、教育委員会に権限を集中させてより強化する形になっています。

他の採択地区では「協議会」として幅広いメンバーでの議論の場を設けている場合が多くあります。各学校からの要望を集約できるようなしくみとし、専門委員による調査の報告や区民アンケートの結果も受けて議論するような協議会を設置すべきと考えます。

そもそも、教科書調査委員会の審議が非公開で行われる理由がわかりません。公開性と広く意見聴取がされることは、採択制度を民主的なシステムにするために欠かせないと考えます。透明・公正な審議を保障するため、調査委員会を公開で実施し、さらに教育委員会への報告までをも公開すべきと考えます。

「つくる会」の分裂問題についても触れておかなければなりません。一見採択と関係がなさそうですが、そこに重要な問題をはらんでいると考えるからです。

「つくる会」は2005年の教科書採択率の低さをめぐって内紛のあげく分裂し、その結果、扶桑社と自由社という2つの出版社から、非常によく似た内容の2種類の歴史教科書が出されるという事態を招き、さらに一連の騒動は、執筆内容の著作権を争う訴訟に発展しています。

「つくる会」の元会長自らが、「内容が右より過ぎたために採択がとれなかった」と公然と不服を述べて「つくる会」と袂を分かち、2年後に実績を上げるため別組織を結成する、という動きから、この人たちが教科書の出版を政治的に利用しようとしてきたことは明らかです。

扶桑社の歴史教科書および公民教科書、そして今年参入した自由社の歴史教科書も、たとえ文科省の検定に合格したものであっても、このような経緯にてらして見れば、採択の対象から外すのが常識的な分別だと思います。最後に教育委員各位の良識ある判断を強く求めました。