図書館を動かし 子どもと学校を変えたある司書のお話

2009年7月28日 08時15分 | カテゴリー: 杉並と東京都の教育と教科書問題

五十嵐絹子さん40年の実践

杉並区の小中11校の学校図書館で9月から司書が配置されることになったと以前書きました(こちら)。教員職と兼務の司書教諭ではなく専門・専任の学校司書です。私が昨年の6月議会で「学校図書館に司書の配置を」と質問して1年余りで実現することになり、教育委員会には感謝しています。

地域の文庫活動や学校図書ボランティア活動に取り組んできた方たちも歓迎と期待を持って受け止め、これを記念して7月26日、鶴岡市で40年間学校司書を務めた五十嵐絹子さんの講演会が開催されました。山形でテレビ放映された番組ビデオも紹介され、約100人もの参加者で杉並中央図書館のホールは熱気に包まれました。

鶴岡市立朝陽(ちょうよう)第1小での五十嵐さんの実践は全国でも知られ、学校司書をめざす人にとって五十嵐さんはカリスマのような存在だそう。何より、ビデオに映った子どもたちのようすに目を見張らされます。

早朝から校門が開くのを待ちかね、競って図書室に駆け込む子どもたち。始業前から満員の図書室で借りる本を探す目の輝いていること。ひとり年間120冊借りるという彼らはしかし、最初からそんなに本好きだったわけではありません。「本嫌いな子こそ私のターゲット」という五十嵐さん。

ビデオでは、本嫌いの2年生だったじゅんぺい君が絹子先生の働きかけで自分から図書室に本を借りに行くまでが描かれますが、後日談として、すっかり本好きになった4年生のじゅんぺい君から絹子先生への手紙が紹介されると、聞いている私たちはみな目頭が熱くなってしまいました。

図書館に行く回数の多い子ほど本好きになる。本を読む子は落ち着きと人の気持ちがわかる子になる。読書力がつくと国語はおろか算数ができるようになる。集中力がつく—。でもこれらは付録、と五十嵐さんはいいます。

参加者にはもうすぐ杉並の学校司書として勤め始める人たちもいて、講師にアドバイスを求めるようすは、司書という仕事に向けた熱意がほとばしるようでした。「学校司書問題は政治問題」とも五十嵐さんは指摘しましたが、その思いが空回りすることなく、誇りをもって働ける場になるよう、しくみを整えていかねばならないと思います。それが政治の仕事だから。