スクールソーシャルワーカーはいつも子どもの側でいて

区議会の一般質問より⑤

前回につづきスクールソーシャルワーク(以下SSW)とスクールソーシャルワーカー(同SSWr)の質問について。青字が答弁の部分です。

SSWは100年前米国で始まった活動にそのルーツがあるといわれますが、日本に導入されてまだ20年ほどしかなく、方法論としては未確立です。ですが学校における問題が多様かつ複雑化する中で、今後活用のニーズが広がっていくものと考えます。

08、09年は文部科学省がSSWr活用事業として全国で展開しましたが、杉並ではそれより2年早く06年に導入し、現在4人が活動しています。生活者ネットはこの取り組みを高く評価し、今回は子どもの育ちを支えるセーフティネット機能のひとつとしてさらなる充実を願っての質問です。

SSWrは専門的な職種でありながら、国家資格のような、そのための資格というものはありません。しかし杉並の4人は「教育や福祉分野について専門性をもち活動実績がある者を非常勤職員として雇用」しているそう。

当区ではSSWrを済美教育センターの教育SAT(スクールアシストチーム)に位置付け、さまざまな事例に対し「子ども、保護者、学校との面接や関係団体、諸機関との調整を行うことで問題解決への道筋をつける」活動で「これまでの対応件数は65件、依頼件数が増加している」とのこと。

その任務の特色として大量の個人情報を抱えることになります。当然ながら秘匿義務は厳守されなければなりません。SSWrの指導・監督責任者は教育委員会ですが、そのとき重要なのは「つねに子どもの側に立つ」ということだと思います。

活動するなかで、学校側の立場で対処するのかそれとも子どもに寄り添うことを重視するのか、その立ち位置によってSSWrの対応は異なったものになります。迷う場面が必ず出てくると思います。そのときワーカーは「子どもの最善の利益」を優先すべきであり、そういう態度や判断を支える教育委員会であってほしい、とつよく思います。