食品表示制度の見直しが自給率を向上させる

2010年2月26日 23時20分 | カテゴリー: 食と農業

区議会の一般質問より⑧

羊のドリーは世界初の哺乳類の体細胞クローンの羊として1996年に生まれた。6年後に死亡。     
羊のドリーは世界初の哺乳類の体細胞クローンの羊として1996年に生まれた。6年後に死亡。     
昨年、東京都消費生活条例の施行により都内で販売される調理冷凍食品の原料原産地表示が義務付けられ、実質上は都内に限らず全国基準として通用しています。ただし、国内での製造に限られているほか、重量割合で上位3品目かつ5%以上の原材料しか充当しません。

冷凍コロッケに入っている牛肉も製品として輸入された冷凍ギョーザの原材料も、おそらく非該当です。対象をすべての加工食品に広げ、遺伝子組み換え食品や飼料用の遺伝子組み換え穀物、クローン技術によって生産された家畜由来の食品の表示義務化も消費者の求めるところです。

昨年、体細胞クローン技術で生産された牛を、内閣府の食品安全委員会が「食品として安全」とする評価を出しましたが、専門家がお墨付きを出してもいやだと思えば消費者は選びません。その選択を可能にするのも、逆に、選ぼうとする人の選択を可能にするのもまた表示です。

国は食品表示の制度を見直し、加工食品のトレーサビリティ—と原料・原産地の表示、遺伝子組み換え食品と飼料用の遺伝子組み換え穀物、そしてクローン食品の表示を義務付けするべきと考え、区の見解を問いました。

対する答弁は、「消費者の利益と科学的根拠に基づいた慎重な検討が必要と考えており、今後の国の動向も注視していく」というもの。

さて、自給率の向上と食の安全の追求が直結するものとして論じられますが、その間には消費者の選択が介在すること、それを可能にするのが表示だということが見落とされがちです。そのとき適正な表示が確保されなければ、国産品を選びたくても選ぶことができません。

だから表示制度の見直しと食品のトレーサビリティ—が確立されることは、日本の農業・畜産業などの第1次産業を守り食料自給率を高めるためにも不可欠なことなのです。

自給率を高めることは一人ひとりの消費行動の結果と考えれば、身近な自治体である区は、区民に対して、食品を選択する主体としての自覚がもてるような教育や啓発に取り組んでいただきたい、と最後に要望しました。