杉並区、図書館の指定管理化にブレーキ

前区長の置き土産「師範館」も見直し

  杉並区立西荻図書館 児童書のコーナー
杉並区立西荻図書館 児童書のコーナー
前山田区政に対する反動か反発か。田中区政になって日々噴出するように明らかになる路線変更のかずかず。議場に並ぶ行政側管理職員の背広の襟もとから「ブルーバッジ」が消えたこともそのひとつです。

2009年度、「共感の輪を広げる」施策と称して骨髄バンクへの登録推進と並べて拉致問題への取り組みが掲げられ、区長ひとりの襟もとから行政の管理職員全員に「ブルーバッジの輪が広がっ」たのでしたが。。。

私とて北朝鮮の拉致問題解決を願うことは同じですが、「ブルーバッジ」に象徴される北朝鮮制裁強化策には大いに疑問があり、前区政下で開催された「平和事業」にも首をかしげたくなるものがありました。

「路線変更」は議会で賛否の割れた施策に顕著です。たとえば図書館への指定管理制度導入。13日の一般質問では答弁に立った区長が「地域図書館全館を指定管理とすることは慎重に」と明言。

第三者機関を設置して行うとしていた指定管理館の運営の評価・検証についても、「(当初いわれていた半年ではなく)1年間の運営期間を確保して」から、と。これはすなわち「全館指定管理」の方針も現状のままで凍結、ということでしょう。

あとで中央図書館長が「図書館協議会や利用者懇談会の議論から区民ニーズを把握して」とも述べましたが、要するに杉並の図書館の指定管理推進方針にブレーキがかけられたことは間違いありません。

問題とナゾの多かった「師範館」については今後のあり方が検討されているというし、先日は「学校希望制度」についても見直しの可能性を示唆する答弁が教育長よりされました。

さらには環境清掃部長が「温暖化の原因は一般的には温室効果ガスといわれる二酸化炭素」と。——「温暖化犯人はCO2に非ず」説の信奉者となった前区長に振り回された部長の苦悩はもはや解消されたようです。

これでやっと「ふつうに」温暖化防止施策に取り組める杉並区になった、ということだと思います。