子どもを被害者にしない SOSを受けとめるしくみの点検が必要だ

2月議会の一般質問より④

マイ弁当の日
マイ弁当の日
虐待により死亡する子、いじめを受けて自ら死を選ぶ子どもが後を絶ちません。「子どもの権利条約」の理念から除外された子どもが日本には少なくないということです。高校の無償化から朝鮮学校だけが排除されている問題もまた。

痛ましい事件の背後には、その一歩手前の状況におかれている子どもの存在があります。子どもが被害者となる事件が増加の一途をたどっていることに、もっと目が向けられなければなりません。子どものSOSを受けとめるしくみが十分に機能しているか、点検する必要があります。

杉並区では、子どもの声を電話で受けとめる機関として子ども家庭支援センターの事業のひとつ「ゆうライン」があり、学校にかかわる領域に関してもさまざまな機関が電話相談を受け付けています。

「ゆうライン」の2010年度の実績は、大人からの相談件数1,213、子どもからは108件となっています。この受付時間帯について、生活者ネットも要望し夜7時までの延長が実現したことはよかったのですが、子どもからの相談件数が年間で108とは、多いとはいえません。

電話をかけてくる子どもは中高生が中心で、自身の性格や人間関係に関する相談が多いとのことですが、行政の実施する相談事業はアクセスするのにハードルが高く、一部の事業は私立学校に通う子には有効ではありません。

今回の質問で紹介した、民間NPOが運営するチャイルドラインは、「ゆうライン」のように相談を受けて問題解決の方法を追求するというより、子どもによりそい、気もちを受けとめる電話受信システムです。

みずから自覚して発するSOSも、無自覚なりに発せられるメッセージも、子どものまるごとあるがままを受け入れる場が、チャイルドラインです。