杉並区、意見交換会を「プラーヌンクスツェレ」方式で実施

6月議会の一般質問より①

杉並区の行政計画の最上位に位置する新基本構想。策定スケジュールが進行中です。私も参加する審議会では、現在3つの部会と、学識経験者による調整部会が併行されています。進捗状況を確認する意味で質問しました。

今年2月議会の一般質問で「サイレント・マジョリティ—の声を引き出す有効な手法」として提案した「プラーヌンクスツェレ(こちら)」が、6月4日に開催された「10年後の杉並を考える意見交換会」でさっそく採用されました。

住民基本台帳から無作為抽出した1,000人に手紙を郵送し、参加の意向を示したのが107人。そのうち77人が当日参加したとのことで、参加率7.7%は高い方といえるでしょう。年齢バランスをみると30代が最も多く、昨年の区民アンケートとの違いがはっきり出ました。

その日、傍聴して感じたのは、各グループとも初対面同士と思えないほど闊達に、楽しそうに議論が盛り上がっていたこと、まとめを報告発表する段階で、いずれも立派にプレゼンテーションがされていたことなどに感心しました。

同時に、議論を導く情報提供としての区政の概要説明については、15分という短時間だっただけに、ほかの内容だったら議論がどう展開されたのか、研究の余地があると感じました。区にとっても貴重な経験になったと思います。

「プラーヌンクスツェレ」はすでに都内でも八王子、立川、三鷹などの各市や千代田、新宿、港区などで実施され、テーマを変えて3回以上実施する自治体は全国各地で17に上っています。千代田、墨田区などでは「学校選択に関して」というテーマで実施され、また三鷹市は「東京外かく環状中央ジャンクション」のテーマで開催するなど、さまざまな政策課題がとりあげられています。

市民参加の手法としてこれまで一般的だった公募区民と違って、無作為抽出の人たちはテーマに対して利害関係をもたないこと、初対面同士であることが、自由な話し合いの空気を生むのだと思います。プラーヌンクスツェレは合意形成しやすいと言われるのもなるほどと思いました。

杉並区でも、今後、また別の課題でこの手法が使えるのでは、と区に意向を聞いたところ、前向きな答弁が返ってきました。