「『はだしのゲン』に係る請願」に対する都教委の「回答」はこれです

2014年1月18日 13時57分 | カテゴリー: 憲法・平和・社会, 杉並と東京都の教育と教科書問題

1月10日、韓国の国会議員ユン・ホジュンさんを迎えて

都教育委員会に提出された『はだしのゲン』に関する請願について、1月9日の定例会議で議決された「回答」が、意味深長です。次のとおりです。

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 東京都教育委員会は、「はだしのゲン」について、「教育現場からの撤去」あるいは「自由閲覧の維持」等を求める請願には、以下の諸点に鑑み、応じることはできません。 

○ 学校図書館においては、児童・生徒に幅広い知識と教養を身に付けさせるべく、様々な図書館資料が置かれることが必要である。

○ 校長は、学校における教育活動をはじめとする校務について権限と責任を有しており、図書館資料の選定事務についても同様である。東京都教育委員会は、今後とも区市町村教育委員会とともに、学校図書館のあり方を踏まえつつ、校長による図書館資料の選定事務が適切に行われるよう取り組んでいく。

○ 「はだしのゲン」は、作者が、自らの個人的な体験や戦争等に対する私的な見解を、作者独自の表現により、漫画として作品にしたものであり、客観性やバランスの取れた記述が求められる教科用図書とは異なるものである。

○ 「はだしのゲン」については、暴力的な表現など、その一部に教育上の配慮が必要な表現がある。

もとより、学校における読書指導については、児童・生徒の発達段階に応じて適切に行われなければならない。 

 東京都教育委員会は、以上の点について、都立学校や区市町村教育委員会に周知してまいります。

 あわせて、東京都教育委員会は、引き続き、教育基本法や学習指導要領にのっとり、伝統と文化を尊重し、それらを育んできた我が国と郷土を愛する態度や、国旗・国歌の意義等について、児童・生徒を正しい理解に導くよう、都立学校や区市町村教育委員会に対して指導・助言を行ってまいります。

 なお、公立図書館では、一般公衆の利用に供するため、館長の権限と責任において資料の取集と提供を行っており、収集した資料は原則公開としております。 

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つまり。図書館にはいろんな本があっていい。どんな本を置くかは校長の裁量で決める。『はだしのゲン』は客観性やバランス、暴力表現に難あるが教科書ではないからまあOK、でも授業では使用上注意――。ということでしょうか。「都立学校や区市町村教育委員会に周知してまいり…」とあるのは、同様の問題については今後同じ判断をせよと暗に言っているのか。 

違和感が拭えないのは、「あわせて」とここで国旗・国歌のことをもち出し、念を押していることです。『はだしのゲン』は見逃してやるがこっちのほうはダメだから、と言っているように私には見えてしまいます。