社会的養護 職員の確保と施設後の支援について ~予算特別委員会の質疑より9

2016年4月19日 09時25分 | カテゴリー: みんなの健康と福祉, 子どもと人権, 自治と議会とまちづくり

井の頭公園の梅 001子どもを虐待してしまう親も養育困難を抱える親でも、自分の子を里親に委託することには消極的だといいます。その一方で施設入所は抵抗が小さいと言い、であれば、「家庭的養護を6割に」という目標達成のためにも、児童養護施設より小規模で家庭的なグループホームでの養育を推進していく必要があります。

子どもにとってグループホームの職員の役割は重要ですが、勤続年数が短い傾向があります。職員が交替してしまうと、入所している子どもは「見捨てられた」と感じてしまうといい、退所した子どもが施設に頼ろうとしても、担当職員が辞めていて相談もできず、孤立感を深めるとも聞きました。

職員の確保・定着を図る取り組みについて都に質問したところ、現在、グループホームで家事援助などの日中業務等を行う補助者や、子どもの養育に関する助言指導や緊急時等の後方支援を行う職員の増配置経費など、独自の支援を行っているとのこと。

そして来年度は、グループホーム等を設置する児童養護施設での職員の確保・育成を支援するため、「グループホーム等を3か所以上設置する場合、助言指導や後方支援を行う常勤職員を増配置できるよう、運営費補助を増額する」、さらに「グループホームのか所数に応じた加算を行う」とのことでした。

また都は、2012年度から自立支援コーディネーターを設置し、入所中から退所後まで継続的な相談支援を行うとともに、施設職員に進路指導等に関する助言を行うほか、区市町村や地域で活動しているNPO等とも連携して一人ひとりの状況に応じた支援を行っています。

施設の子の多くは高校卒業後、就職先を決めて退所しますが、自立の準備や生活環境の整備が不十分なために最初の就職先を早々にやめてしまうケースも多いといいます。その後、自分のやりたい仕事を見つけたとき、美容師や看護師などの資格取得のために専修学校へ進学するなど、退所後でもチャレンジできるような支援が必要です。

児童養護施設退所者等に、大学や専修学校等の入学金、技能習得、転居等の資金を貸し付ける「自立生活スタート支援事業」を都は独自に実施しています。卒業や一定期間就業を継続した場合は償還が免除されます。

この制度は、退所後5年以内を対象に、自立支援コーディネーター等と連携しながら貸し付けを決定します。来年度は、入学時に加え貸付けを2年次の授業料まで拡大し、国の補正予算で創設された、在学中の家賃や生活費などを貸し付ける事業も開始する、としています。

せっかくの制度が役に立つよう、今後の取り組み状況を検証していきたいと思います。