その飯田さんが山口県知事選挙に立候補と聞いてすごく驚きました。でも上関原発立地であるうえ岩国という基地問題を抱える「保守王国」で、飯田さんという、従来型官僚出身でない市民知事が誕生するとしたら、こんなにエキサイティングなことはありません。
6月29日に衆議院議員会館で開かれた集会で飯田さんは、立候補について「99%、ふつうに考えて、ない」と言い、「1%のキョーキに駆られて、歴史を変える可能性に挑戦しようと思った」と続けました。
「1%のキョーキ」と聞いて、メモをとりながら「狂気」と「侠気」のふたつの文字が浮かびました。どっちだろう? …きっと両方なのだろうと思いました。
そして7月29日、投票日。夜9時前にはもう他候補の当確が出て飯田さんは落選。院内集会のとき「投票率が5%上がれば勝てる」ということでしたが、前回の37%から今回は45%にまで上がり、それなのに勝てなかった。
しかし、当選者25万票に対し18万票というのは善戦といえるのではないか。だいいち投票率が8ポイントも上がったのは、飯田哲也という超有力な著名人が出馬したからに違いありません。
ただこの著名人は、山口県では知事候補として浸透しきれなかったということではないかと思います。投票日前の1週間、奥山たえこさんプロデュースによりみどりの未来事務所で有権者への電話かけをした感触では、日を追うごとに反応がよくなっているという実感がありましたから。
ああ残念。なんだか「理想と現実」のギャップや「原子力ムラ」の底力を見せつけられたような敗北感にとらわれています。
それでも飯田さん、選挙戦お疲れさまでした。そして、あなたを奮い立たせた「1%のキョーキ」に感謝しています。