「食と農から生物多様性を考える市民ネットワーク(食農市民ネット)」が2005年から実施している「遺伝子組み換え(GM)ナタネ」の自生調査の報告会が7月11日、衆議院議員会館で行われました。農水省、環境省から担当者も参加しての学習会でもあります。
食農ネットに参加している、北海道から鹿児島までの各地の生協や産直運動団体などの市民がつながって、毎年全国調査が行われていることがすごいと思いました。半端なネットワークではできないことだと思います。
汚染の広がりにはがく然としました。日本では栽培が許可されていないGM植物がなぜか各地で自生している、そのことが意味するのは、輸入されたGMナタネが管理の外にもれ、自然の力で生育しているということです。
輸送中に地面にこぼれ落ちたと考えられます。しかもブロッコリー、カブ、ダイコンなど他の作物との交雑も多く発生しているというのです。また今回の調査でとくに明らかになったのは、「隠れGM(遺伝子組み換え)」の現状です。
「隠れGM」とは、一次検査では陰性だったのにPCR法(ポリメラーゼ連鎖反応法)によるより詳細な二次検査で陽性反応を示す検体のこと。2011年の調査で発見され、検査方法の見直しを迫られた今年、隠れGMの拡大が確認されたということです。
報告者からは、もはや市民の調査だけでは追いつかない、また輸送中の管理徹底を定めるような法整備が必要、という切羽詰まった要望が出され、行政側も持ち帰って検討すると答えていました。
沖縄で昨年、承認されていないGMパパイヤが流通していることがわかりパパイヤ農家が伐採を強制されたため、経済的な損害を被った事件については、その後の状況が報告されました。
それにしても、これらの問題があまりに知られていません。国会議員でただ一人参加していた参議院議員の大河原雅子さんの「法改正を急がないと」という発言に期待したいものです。