「選挙管理委員の報酬見直し」議員提案、否決に

本質が議論されなかったことに悔いが

ずいぶんたってしまいましたが先の区議会で「生活者ネット・みどりの未来」の5人で議員提案した「選挙管理委員の報酬改正」議案に関しての報告を書いておきます。

提案の趣旨は、通常は月に2〜3回勤務するだけの選挙管理委員の報酬が、市民感覚とかけ離れて高すぎるので、それを見直そうということです。具体的には、支払い方法を現在の月額24万2千円から日額3万円とするよう改正するものでした。

2009年1月、滋賀県の大津地裁で「選管委員の勤務実態は常勤とはいえず、非常勤は日額報酬とするよう定めた自治法の趣旨に反する」として、県知事に選管委員の報酬を支払わないように命じる判決がだされました。

杉並だけの問題ではないわけです。大津の判決以降、行政委員の報酬見直しが各地で進んでいます。23区の中では、昨年10月に新宿区で選管委員の日額を3万円とするよう条例改正がされました。私たちの提案はこの新宿区の事例を参考にしました。

杉並区では昨年、半年間入院のため欠勤していた選管委員に対して、報酬が満額支払われたことが議会でも問題提起されており、議案には多くの議員の賛同が得られるものと確信していました。

ところが、議案が付託された9月21日の総務財政委員会での質疑はさんざんなものでした。

選管委員の勤務実態をみれば、月額24.2万円が法外な額であって改善が必要なことは子どもでもわかる理屈です。そこに提案趣旨があるのですが、そういう本質論が語られる場面は、わずか、けしば議員が「委員外議員」として質疑を行ったときだけという、悔いの残る審議でした。

最大会派への事前調整もなく提案して可決させようという気があるのか。根回しが足りない。会派内で意見が分かれるような5人の提案など信頼に値しない—。というような質疑に終始し「稚拙」とまで言われました。

私たちはこの提案を、会派の奥山さんが中心となり9月に入ってすぐに各会派を回って提案趣旨を説明し事前準備をしてきたのに、です。提案すること自体が間違っているかのような言い方には、見識を疑うしかありません。結局、本会議では賛成少数で否決されてしまいました。